コラム
2020/09/30

【Q&A】赤ちゃんの肌がカサカサ乾燥していて、湿疹もでやすいですが、どうしてですか?

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【Q】赤ちゃんの肌が乾燥してカサカサで、ときどき湿疹も…。どうしてですか?

【A】赤ちゃんの肌はバリアが未熟で乾燥しやすく刺激に弱い状態なので、しっかり保湿を。湿疹がでたら、すみやかに医療機関を受診しましょう。

日常生活には皮膚への刺激がいっぱい

アレルゲン、細菌、ウイルス、ブルーライトを含む太陽光、PM2.5、黄砂、花粉…。私たちをとりまく環境には、肌にとって刺激となるものがたくさんあることをご存じですか?これらは大人の肌にとっても刺激になり得るもの。大人よりも肌が薄く、バリアが未熟な赤ちゃんにはより影響が出やすいといえます。

アレルゲンとは、アレルギー症状を引き起こす物質のこと。何がアレルゲンとなるかは、人によって違いがあります。また、すべての細菌が有害というわけではなく、もともと肌の上にいて肌やカラダによい働きをする菌もあります。

トラブルが起こりやすい赤ちゃんの肌

人間の皮膚には、アレルゲン・化学物質などの異物の侵入や、水分蒸発を防ぐ「バリア機能」が備わっています。ですが、生まれたばかりの赤ちゃんのお肌は、バリア機能が未熟な状態。肌の細胞と細胞のすき間から有害物質が侵入しやすく、水分も蒸散しやすいので、特に空気が乾燥しやすい時期にはドライスキンなどの肌トラブルが起こりやすいのです。

湿疹を見つけたら、まずは病院へ。特に異常がないように見えても乾燥していることがあるので、赤ちゃんが肌をよく掻く場合は小まめにスキンケアを行い、それでもかゆそうな場合や湿疹がでた場合はすみやかに皮膚科を受診しましょう。

お肌を刺激から守るお手入れを

赤ちゃんの肌をトラブルから守るには、皮膚にとって刺激となる物質を洗い流して清潔に保つのが基本。沐浴や入浴のときは低刺激性の洗浄剤を使い、洗うときはゴシゴシこすらないのがポイントです。アルカリ性が強い石鹸は、洗浄性が強い反面、洗いあがりに乾燥しやすいので避けたほうがいいでしょう。お風呂のお湯は38~40℃のぬるめがおすすめです。

紫外線もお肌への刺激のひとつです。外出するときは、お肌の露出を避けて紫外線を防ぐよう心がけてください。

たっぷりの保湿も忘れずに

お肌を洗った後は、お肌の表面を守る皮脂が流れ落ちているため、バリア機能が低下しています。入浴したら1時間以内を目安に保湿してください。無添加、アレルギーテスト済み、バリア機能や常在菌のバランスに配慮したものなど、さまざまなタイプの保湿剤があるので、塗りやすさや赤ちゃんの心地よさを考えて選ぶとよいでしょう。

外出するときはUVカット効果もあるスキンケアアイテムの使用をおすすめします。

「生まれてすぐの赤ちゃんにスキンケアが必要?」と思うかもしれません。ですが、見た目では問題ないと思っても、赤ちゃんのお肌は想像以上に乾燥している場合が多く、出生直後から保湿剤を使うことで、アトピー性皮膚炎になるリスクを減らせるという報告もあります。

赤ちゃんとお母さんのお肌が直接ふれあうスキンケアは、スキンシップにもなります。適切なスキンケアで、赤ちゃんのお肌を守りましょう。

 
監修/西川伸一(にしかわ しんいち)
医師、医学博士
1948年滋賀県生まれ。1973年京都大学医学部卒業。1980年ドイツ・ケルン大学遺伝学研究所留学。帰国後、京都大学胸部疾患研究所にて助手、助教授を勤めた後、1987年より熊本大学医学部教授、1993年より京都大学大学院医学研究科、分子遺伝学教授を歴任。2013年よりNPO法人オール・アバウト・サイエンス・ジャパン代表理事に就任するとともに、2019年より一般財団法人サンスター財団会長に就任。

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