【Q】「仕上げみがき」とは何ですか?いつからはじめるべきですか?
【A】「仕上げみがき」とは、見えにくい部分、自分ではみがきにくい歯の汚れまできちんと落とすために、本人がみがいた後に大人がみがいてあげることです。歯が生え始めた頃からはじめ、小学校低学年くらいまで(より望ましくは全ての歯が永久歯に生え変わる小学生の間は)続けることをおすすめします。
大人がペタンと座って軽く足を開き、足の間に子どもをあお向けに寝かせます。子どもの頭を大人のひざの間に軽くはさんで固定させた状態で、大人が上からのぞき込むようにしてみがきます。子どもの開いた両腕を大人の太ももの下にくぐらせて太ももを抱えるようにすると、より安定した姿勢になります。
寝かせた状態での仕上げみがきをいやがり、子どもが安定して立っていられる場合は、立たせ後ろみがきの姿勢を取り入れます。二人とも立った状態で、大人が子どもの後ろにまわり、利き手でないほうの腕で子どものあごを支えます。そして、子どもの顔をやや上向きにして行います。
歯みがきをいやがるときは、無理に歯みがきをさせず、機嫌のよいときに取り入れて少しずつ毎日の習慣にしていきましょう。子どもが好きなデザインやキャラクターのハブラシやハミガキをそろえるのもアイデアのひとつです。
仕上げみがき用のハブラシのヘッドは歯を1本ずつみがける小さめがおすすめです。毛丈が短めの、やわらかすぎないナイロン毛のものがよいでしょう。ハンドルはカーブのないまっすぐのタイプがおすすめ。ハブラシを歯に当てる角度を手で覚えやすく、しっかりみがけます。
また、自分で歩きまわれるようになった子どもは、どんなものにも興味津々。ハブラシが遊びの道具になることもあります。お子さんがハブラシを使用する際は、歯をみがくとき以外はハブラシを持たせない、ハブラシを持ったりくわえたりしたまま歩き回らせない、本人が歯をみがくときは目を離さないなどを徹底すると、もしもの事故を防ぎやすくなります。喉付き防止のため、持ち手の短い物を選ぶことも大切です。
人さし指で上唇をめくり、前歯全体が見えるようにします。前歯に張り出している紐のような上唇小帯という部位は、痛みに敏感で、ハブラシが当たるといやがる子どもが多くいます。指でガードしながら上から下へとみがくか、上唇小帯にハブラシが当たらないようにしながら左右に分けてみがきます。上唇の裏についた母乳やミルクのカスも忘れずに取り除きましょう。
歯と歯ぐき(歯肉)の境目が見えるように、下唇を人差し指でやさしく押し下げます。ハブラシを左右に振動させるように動かしてみがきます。
前歯だけでなく上下の奥歯まで見渡せるよう、指の第一関節を歯ぐき(歯肉)と頬の粘膜の境目に入れて持ち上げるようにします。
基本は歯に垂直にあてて小刻みに動かしてください(スクラビング法)。歯の外側、裏側、かむ面のように、みがく順番を決めておくと、みがき残しが減ります。歯の裏側は少しハブラシを立ててみがくのがコツです。
噛みあわせをみがくときは、ハブラシを横から入れてあげると、のどをつく心配がなく1本ずつみがくことができます。
歯と歯の間は、汚れがたまりやすく、落としづらい場所。ハブラシを大きく動かしてゴシゴシみがくやり方では、歯の表面しかみがけず、みがき残しができてしまいます。
歯と歯の間にハブラシの毛先をあてて小刻みに動かしみがきましょう。ハブラシの弾力性を生かすことを意識すると、弱い力でもきれいにみがきやすくなります。また、たまった汚れをしっかり落とすために歯と歯の間にはデンタルフロスの使用を推奨します。