ミュータンス菌をはじめとするむし歯菌は、赤ちゃんが家族や周囲の人と接触するうちに、お口の中に入り込みます。
ですが、むし歯菌に感染したからといって、誰もがむし歯になるとは限りません。むし歯菌の温床となるプラーク(歯垢)をできるだけ早く取り除けば、むし歯を防ぐことができます。
歯が生えてきたら、むし歯対策のはじまりです。むし歯菌が盛んに活動する食後にきちんと歯を拭いたり、みがいたりの習慣が、もっとも効果的なむし歯予防です。食事ごとにお口の中をキレイにするのが理想的ですが、できない場合は、食後は水やお茶を多めに飲ませるようにし、就寝前にはしっかりみがきましょう。
歯みがきに慣れるまでは、機嫌のよい時に歯をふく・みがく、歯をみがかない時はうがいで対処するなどして、歯をキレイにする回数を少しずつ増やしていきます。子どもが好きな音楽をかける、歯をみがいたらシールをカレンダーに貼るというように、歯みがきの楽しいルールをつくるのも効果的です。
お口の中を健康なまま保つためには、「甘いものをほしがったら必ず与える」「間食をだらだら続ける」といった食生活は、改善しておいたほうがよいでしょう。
「甘いものを食べるとむし歯になる」というイメージを抱かれがちですが、正しくは、砂糖を含む糖質がプラーク(歯垢)のもとになります。
●母乳やミルク
歯が生えた後、きちんと歯を拭く・みがくの習慣がなければ、むし歯になる可能性が生まれます。おしゃぶりの代わりとして哺乳ビンが手放せない赤ちゃんも多いので、その場合は中身をお水や麦茶に変えましょう。
●炭酸飲料・スポーツドリンク
炭酸飲料やスポーツドリンクは甘くて飲みやすいので、「だらだら飲み続ける」につながりがちです。糖分を多く含んでいるので時間と量を決めて飲むことや、できるだけお茶や水を飲むことをおすすめします。
●フルーツジュース・果物
果物やそれを絞ったジュースにも糖質が含まれています。ですが、カラダに必要なビタミンやミネラルも多く含むので、水を飲む・ゆすぐ・歯をみがくなどのケアをするとよいでしょう。
●お米やパン
お米やパンに含まれるデンプンは、唾液によって分解されるとグルコースになり、プラークのもとになります。ですが、デンプンなどの炭水化物は、エネルギーのもととなる重要な成分でもあるので、無理に避けるのではなく、食べた後は水を飲む・ゆすぐ・歯をみがくなどのケアをしましょう。
赤ちゃんにむし歯菌を感染させるのは、ほとんどの場合、周りの家族や大人です。つまり、家族がむし歯なら、赤ちゃんにむし歯菌をうつすリスクが高まります。赤ちゃんを迎えたのをよい機会と考えて、家族みんなでお口のケアを徹底させませんか。また、子供が成長したら、親子で歯みがきをすることもスキンシップと、習慣づけのひとつとして有効ではないでしょうか。
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