赤ちゃんの感覚の中で、もっとも発達しているのが、体性感覚です。体性感覚とは、皮膚感覚や深部感覚のことで、赤ちゃんは触ったり触られたりすることでさまざまなことを感じています。
お口や唇は、赤ちゃんのカラダの中でもっとも敏感な部分。生後2~3ヶ月頃から指をさかんにしゃぶりはじめ、生後4~5ヶ月頃になると何でも口を使って感触や形状を確かめようとします。このような指しゃぶりや玩具しゃぶりはとても自然な行動で、敏感な口や指を刺激させることは、感覚機能や運動機能などの発達にも役立ちます。
乳歯が生えるまでは、お口の中のケアは必須ではありません。やがてはじまる歯みがきの準備段階ととらえましょう。
授乳のときなどには愛情たっぷりのスキンシップを心がけ、手足はもちろん、顔や口のまわりをやさしく触ってあげてください。大人の清潔な指で、赤ちゃんのお口の中を軽く触れるのもおすすめです。
普段から顔やお口のまわりに触れる習慣は、赤ちゃんの心に安定をもたらすとともに、歯みがきやガーゼみがきをスムーズにはじめやすくします。
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、ミュータンス菌をはじめとするむし歯菌は存在しません。ですが、周囲の家族などから赤ちゃんの口の中に少しずつ入り、歯が生え始めた直後から歯の表面に定着しようとします。
3歳までにむし歯菌に感染するのを防げば、むし歯になりにくいお口の環境になるといわれています。むし歯菌に感染する時期を遅らせるには、歯が生える前からの予防意識と、むし歯菌が棲みつきにくい食習慣が重要です。
糖質を多く含む食品を好む、好きなときにダラダラと食べるといった食生活は、むし歯菌が早い時期に住みついてしまう原因です。歯が生える前から意識して改善しておきましょう。
・離乳食をうす味にする
甘味や塩味を控えめに。この時期の食事が一生の味覚に影響するといわれています。
・ジュースやスポーツドリンクを控える
お茶やお水にハチミツや砂糖を入れることも控えましょう。
・夜に甘い飲み物や食べ物を口にする習慣を作らない
唾液の分泌が減る就寝時は、むし歯になりやすい口内環境です。就寝前にできるだけ甘いものを飲まない習慣を作りましょう。