赤ちゃんの歯のもと(歯胚)は、お母さんのおなかの中にいる頃から作られはじめますが、生まれたばかりの時に歯は生えていません。
個人差はありますが、生後6ヶ月くらいから下の前歯が生え、生後8ヶ月頃に上下の前歯が生え揃う時期には、舌で食べ物を押しつぶしたり食べ物を運んだりできるように。やがて歯ぐきがふくらんでくると、歯ぐきを使って食べ物をかみつぶすことができ、徐々に咀嚼が可能になります。
「歯のお手入れや歯みがきは歯が生えてからで大丈夫」という考えは間違いではありません。歯が生えるまでは、歯みがきの準備期間と考え、スキンシップを心がけることをおすすめします。
実は、歯が生えてお手入れをはじめようとすると、お口の中をさわられるのを赤ちゃんがいやがることがあります。なるべくいやがられないようにするために、スキンシップを通して、顔やお口のまわりを触られたり、お口に指を入れられたりすることに赤ちゃんが慣れていると、お口のお手入れをスムーズにはじめやすくなります。
また、歯が生える前から甘いものを与えすぎない、夜寝る前に食べ物を与えないなどの生活習慣を整えておくと、むし歯予防につながっていきます。
個人差はありますが、生後6ヶ月頃、下の前歯が生えてきたら、いよいよお口のお手入れのはじまりです。
足の間に赤ちゃんを仰向けに寝かせて、口の中を見渡しやすい姿勢にしたら、最初はガーゼを巻きつけた指や綿棒で歯やその周りの汚れを拭き、お口にモノが入ることに慣れさせます。次にハブラシを使ってみて、いやがるようならガーゼ拭きに戻るというふうに、ハブラシに徐々に移行してください。
乳歯の第1乳臼歯は1歳半くらいから、一番奥の第2乳臼歯は2歳半くらいから生えます。この時期までにハブラシへの移行を済ませておくのが目安です。
「むし歯ができても治療すればいい」「歯だけの問題」と思っている人も多いようです。
むし歯が進行すると、痛んだり歯を失ったりするだけではありません。栄養を十分に摂れない、お口や顎などの正常な発育を妨げる、精神面への影響などが指摘されています。
お口の中の健康は全身の健康と関連していることを理解し、早いうちから歯をみがく習慣をつけるとともに、甘いものを摂りすぎない生活習慣を身につけることが大切です。