そろそろお歳暮のことを考えはじめる時期です。お歳暮は毎年、親や上司などお世話になった方に一年の感謝の気持ちを込める贈り物。
ただ、今年は今までになく人に会う機会が少なかった一年だったという人も多いのでは?そこで、会いたいけど会えない人、元気でいるということを伝えたい人、身近でいつもお世話になっている友人などに、「気軽なお歳暮」を贈ってみるのはいかがでしょうか。
喜んでもらえる贈り物の選び方のコツについて、ギフトコンシェルジュの真野知子さんに教えてもらいました。
取材先プロフィール
「いつもありがとう」「なかなか会えないけど、元気ですか?」などの意味をこめて「気軽なお歳暮」を贈りたい時、どんなタイミングで贈ればより気持ちが伝わりやすいのでしょうか。
「贈りたい、と思った時が贈り物日和です。たとえば買い物に行った時やオンラインショップで『あの人が好きそう』『かわいいから見せてあげたい』などと思った時。その流れだと、気負わずに贈れるし、受け取る相手にもそこまで気を遣わせないですみます」と真野さん。
よく話す相手であれば、気になっているといっていた物、SNSで繋がっているのであれば、好きなテイストの物を推しはかって、見つかったタイミングで贈るとよさそうです。
「贈り物は、物を介しての気持ちのやりとりであり、コミュニケーション。相手の言葉や発信する物にヒントを得て贈るのが、喜んでもらうコツです」
思い立った時にすぐ贈るのがベストタイミング。
気軽に贈り物をするには、普段からの情報収集が欠かせません。たとえば相手がどんな暮らしをしているかによっても、喜んでもらえる贈り物は違うもの。
「シングルなのか、ファミリーがいるのかなど、家族構成などによって選ぶべき贈り物は変わってきます。シングルであれば、ひとり時間が充実したり、ほっと一息つけるような物が喜ばれるし、お子さんがいる方なら、お子さんも喜ぶ物や家族が一緒に楽しめる物がベターです」
また、親世代であれば健康面への配慮も大切なことです。
「持病があったり、塩分や糖分を制限している人もいるので、最低限、下調べは必要。また、甘い物が好きではないなど、好みの問題も重要です」
たとえば義両親の好みを詳しく知らない場合などは、義実家に行った時にさりげなく探ってみたり、配偶者から直接聞いてもらうほうが確実。
「サプライズで贈って喜んでもらえなかったとしても、ダメだった、と落ち込まず、次回に活かしましょう。失敗を恐れず、贈ることを楽しんでほしいですね」
喜んでもらいたいという気持ちは伝わるもの。
贈り物をする時、気持ちを伝えたいならぜひ添えたいのがメッセージカード。
「ひと言でも感謝の気持ちを自分の言葉で綴りましょう。メッセージカード選びも、贈り物をする時の楽しみのひとつです。相手のイメージにあわせた物、ユーモアやセンスが表現できる物、クスッと笑わせたり、素敵と思ってもらえる物など、贈るシチュエーションにあわせて楽しく選んでみてください」
真野さんがよく利用するのは、カード専門店「G.C.PRESS」のメッセージカード。
「季節感がある物、イニシャル入りの物などがあるほか、オリジナルも作れます。ネットでも買えるので便利ですよ」
「贈り物は新しい物との出合い。贈る方は、『あの人が好きそう、喜んでくれそう』と相手のことを考える時間になるし、多彩なセレクションの中で自分の気持ちにピタリと合う物を選ぶ楽しさ、相手を想う気持ちを託せる一品との出合いも、贈り物をする醍醐味ですよね」と真野さん。
今年はおうち時間が増えたことで、日々の食事としっかり向き合うようになり、健康意識が高まったという人も多いはず。
「相手の健康を気遣った贈り物は今のトレンドかもしれません。老若男女に喜ばれるし、大切な相手にいつまでも元気でいてください、という思いが伝わり、一石二鳥ですね」
取材・記事 古屋美枝
撮影(カード) 石原敦志