コラム
2020/12/04

おうちクリスマスで楽しみたい!ボードゲームのすすめ

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「今年のクリスマスはおうちで」。そんな人も多いのではないでしょうか。ごちそうやケーキを楽しんだあとは、ボードゲームやカードゲームをしてはいかがですか?いつもとは違った頭の使い方をしたり、一緒に遊ぶ人の意外な一面が見えたりして、楽しめること間違いなしです。

ボードゲーム販売専門店「すごろくや」の代表取締役 丸田康司さんに、ボードゲームを楽しむコツとおすすめゲームを伺いました!ゲームを買わなくても楽しめる遊びも紹介します。

プロフィール

 
丸田康司(まるた こうじ)
東京の高円寺と神保町にある国内最大級の販売専門店を営むボードゲームの総合企業「すごろくや」代表取締役。 企画、プログラム、ゲームデザイン、執筆、プロデュースなどを多岐にこなす。15年間のテレビゲーム開発の後、独立し、2006年4月に近代ボードゲーム・カードゲームの専門店“すごろくや”を設立。

ボードゲームを最大限に楽しむコツは?

丸田さんは、もともとテレビゲーム開発をしていたという経歴の持ち主。だからこそ、アナログのゲームの良さがよりわかるのかもしれません。

「人との会話が生まれるからいいといわれますが、それは本質ではないんです。今はテレビゲームでもそれができますからね。僕が考えるボードゲームの良さは『みんなでみんなのためのゲーム環境を支えあい、成り立たせている』というところです。誰かがズルをしたり、無作法をするとゲームが成り立たなくなります。それこそが、絶対的なルールがあり、審判がいるテレビゲームでは味わえない面白みであり、また脆さでもあるのではないでしょうか」

ボードゲームをより楽しむには、どんな工夫やスキルが必要なのでしょうか?

「まずは『相手の選択を尊重できる共感』スキル。自分の勝ちだけにこだわっていたら「場」としての楽しみが成り立ちませんよね。もうひとつは『遊ぶ全員の力量を考えてゲームを選ぶ』こと。ゲーム状況の認識の深さや計画性などの攻略スキルの度合いは人それぞれです。一緒に遊ぶ人が、どのくらい適度な読み合いや駆け引きができる相手かによって、ゲームの選定も変わってくるでしょう」

なかなか奥が深い!プレイする相手が決まっている場合には、その人が好きで、楽しめそうなものを選ぶことも大切になるそうです。

子どもがいてもOK!4~5人で楽しめるゲーム

小学生の男子に絶大な人気!「金庫破りのジギ」


金庫破りのジギ 1,540円(税込)

金庫破りでお宝をゲットしていくカードゲーム。各金庫カードの下部に公開されているカードの数字(価値)と、これから引くサイコロで指示された色カードの数字(価値)を比較して、大きいか小さいかに賭けます。当たればカードがもらえ、外れれば手持ちのカードが没収されてしまいます。数字は1~52なのである程度予想が付きますが、それでも確率の低いカードが出る場合もあるから面白い!また、賭けから「下りる」こともできるので、駆け引きが重要になります。

「すでに登場した数値は二度と現れないことから、確率の変動が捉えられる年齢になるほど楽しめます。小学生の高学年が大好きですね」(丸田さん)

上に重ねていくのが楽しい!「キャプテン・リノ」


キャプテン・リノ 1,760円(税込)

カードを折り曲げて立体の家を作っていきます。間に挟まる「床」のシルエットに沿って載せていくのがルール。UNOのように、「1枚とる」「逆順にする」といった、カードに書かれた特殊な効能に従わなくてはなりません。重みのあるサイのキャラクター「リノ」を移動する指示もあり、「倒れるか、倒れないか…!」という興奮があります。

「5歳くらいから遊べます。巨大版もあり、重ねていくと最大3メートルほどにもなります」(丸田さん)

自分の「好き」を語る楽しさ!「かたろーぐ」


かたろーぐ 2,860円(税込)

たくさんの動物の絵が描かれたシートなどを使って、「出題者」ひとりの好きな順番を、ほかの人たちが当てていくゲーム。出題者は上位7つを教えて、順位は内緒にしておきます。周囲の人がいろいろと質問をしていき、「せーの」で1位から順番に答えあわせ。当たった人は出題者からハートのコマをもらえます。

「用意されているシート以外にも、好きな図鑑やチラシなど、さまざまな『カタログっぽいもの』を使えます。また、子どもが出題者になると、好きなものについて質問してもらえるのですごく楽しそうにしますよ」(丸田さん)

大人も絶対盛り上がれる。ふたりでできるゲームも

夢中になっちゃうシンプル麻雀「すずめ雀」


すすめ麻雀 3,740円(税込)

麻雀のルールをシンプルにしたもの。「索子(ソーズ)牌1~9」と「發(ハツ)」「中(チュン)」の11種類44個のみで遊びます。手配が5個で、ポンやチーはなく、ロンかツモで上がります。自分が捨てた牌では上がれないので、捨て牌を見ながら駆け引きするのがドキドキするのだとか。

「2~5人で遊べるのが、4人でなくてはならない麻雀よりいいところ。意外と女性がハマります」(丸田さん)

嘘つきを見つけるミステリアスな「ダニー」


ダニー 2,640円(税込)

全員が、主人公ダニーの中に潜む別の人格という設定。ただし、その中にひとりだけ嘘つきのダニーが潜んでいます。自分のターンになったら「安らぎ」「魂」「後悔」「導き」「現世」など抽象的な言葉が書かれたカードを引き、その中のひとつの言葉をほかの副人格に当ててもらいます。ただし、伝え方はミステリアスで抽象的な絵柄のカードを組みあわせて表さなくてはなりません。ダニー以外は答えを見つけようとして、ダニーは間違わせようとします。ダニーが勝つか、それ以外の人が勝つかを勝負します。

「カードは多重人格者ダニーの経験を表していて、怪しさもありさまざまな解釈ができてしまいます。素直にいっても疑われたり、逆に疑われるよう仕向けたり。そんなやりとりが面白いのです」(丸田さん)

その土地に投資する?しない?「カルカソンヌ」


カルカソンヌ 3,800円(税込)

自分の城塞や道をできるだけ広く獲得するゲームです。1枚ずつカードをめくり、絵柄がつながるように置いて土地を作っていきます。めくった直後だけ、その土地に自分のコマを置くか置かないか決められ、置くとその土地が自分のものに。ただし、その城塞や道が今後広がっていくかはわかりません。どのようにカードを置いて、どの土地に投資するか、ハラハラドキドキ。

「戦略的なゲームで世界大会もあります。ほかのゲームと違って、ほかのプレイヤーに『ここに置けるよ』と口出しされても嫌じゃないんです。『お互いがWin-Winになるね』みたいなことも起こる。戦略的なのに平和なんですよ」(丸田さん)

狙っているのか?ひっかけか?戦略を読みあう「ガイスター」


ガイスター 2,800円(税込)

チェスのような見た目ですが、オバケの形をしたコマは青と赤の2種類x4つとシンプル。前後左右に1マスずつ動けます。ところが、相手からは色の区別がつきません。相手の青いオバケを4匹取るか、自分の赤いオバケを4匹取らせると勝ち。あるいは、青の1匹を自分と反対側の出口から出しても勝ちです。「こんなに進んでくるってことは赤いオバケ?いや、逆にひっかけかも?」と相手の心を読みあいます。

「ボードゲーム作者で有名なアレックス・ランドルフというドイツ人が作ったゲーム。40年前に作られた名作です」(丸田さん)

 

丸田さんは、紙とペンがあれば楽しめるゲームを集めた「大人が楽しい 紙ペンゲーム30選」という本も出されています。その中からとっておきを教えていただきました。


大人が楽しい紙ペンゲーム30選 1,540円(税込)

古今東西とほぼ同じルールで、プラスαの仕掛けがあります。それは、テーマを決めた後、それぞれが心の中に「地雷ワード」を決めておくこと。自分以外の誰かがその言葉をいったら、指をさして「ドーン」といいます。いわれるととても屈辱的でたまらないのだそうです。

「地雷のワードを紙に書いて隠しておいてもいいのですが、実はズルをしても楽しくないので、誰もズルをしません。だから実は、紙もペンも不要です」(丸田さん)

たくさんのゲームを教えていただきました。気になるものがあったら、ぜひ遊んでみてください。クリスマスだけじゃなく、いろいろな場面で親睦を深めたり、チームワークを高めたりすることに使えそうですね。

取材・記事 栃尾江美
撮影 石原敦志

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