話題の腸内フローラと同様、お口にも「口内フローラ」があります。フローラとはカラダの中のいろいろな場所で形成される細菌の集団のことです。口内フローラのバランスが崩れるとお口の中はもちろん、糖尿病や心疾患など全身の健康に影響するともいわれています。
逆にいえば、自身の口内フローラを知ることで最適な対応がとれます。歯科医選びもそのひとつ。前回、口内フローラ診断で「虫歯のリスクは低いが、歯周病は要注意」と診断されたEさん(40代・女性)。
体験者プロフィール
- Eさん/40代女性
- ・歯周ポケットや歯のぐらつきが見つかって以来、熱心に通院中。3ヶ月に1回、歯科医院へ。
・歯科医師用の強力電動ハブラシと後味すっきりハミガキでのクリーニングが好き。
・一生、自分の歯で、世界中の「美味しいもの」を食べたい!
自分のお口の環境を知っているからこその歯科医選びとは?前回に続いて歯科医師の大月先生にアドバイスいただきます。
- 監修/大月基弘(おおつき もとひろ)
- DUOデンタルクリニック院長。歯学博士、ヨーロッパ歯周病学会認定歯周病、日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医、歯周インプラント認定医。
実は歯科医には得意技がある
口内フローラ検査結果からいうと、私は「むし歯タイプ」ではなく「歯周病タイプ」ということですが、それで歯科医院を選べるものなんでしょうか。
はい。歯科医はいろいろな専門、得意分野があるんです。
「歯周病タイプ」のEさんは、日本歯周病学会が認定する「歯周病専門医」や「歯周病認定歯科衛生士」がいる点などに注目して歯科医院を選ぶのをオススメします。
歯科医院のWEBサイトを見ると確かにいろいろな専門分野の方がいらっしゃるんですね。
例)一般財団法人サンスター財団 サンスター歯科診療所の場合
2020年8月時点
歯科衛生士も同じように得意分野があります。歯科医師の診療を補助するだけでなく、歯みがきの指導や、歯周病の治療、治療後のメンテナンス、予防処置などのサポートをしてくれますので、これも調べてみると良いですね。ホームページに情報がなければ、歯科医院に気軽に問い合わせてみてください。
矯正などは専門の医院があることは知っていたのですが、普通の歯科医院でも悩みや症状にあわせて選ぶことができるとは思っていませんでした。
一般財団法人サンスター財団 サンスター歯科診療所(大阪府豊中市)のスタッフ。
良い習慣につなげるのも歯科医院の役目
先生、私は歯科医に3ヶ月に1度は通って、歯石のクリーニングをしているのですが…。
それはいいことですね!
ただ、私、奥歯の歯並びが悪い部分があって、その部分の歯のみがき方を歯科医院で何度教えてもらってもそこに歯石が残ってしまっているようなんです。電動歯ブラシも使ったりしていますが、結局、みがき方がうまくなっていないんでしょうか。
なるほど。もしかしたらその医院では口頭だけでみがき方を説明されているのでは?
そうです。
特徴のある奥歯ということですから、実際にEさんがハブラシを持って、その場で実践しながら指導してもらうのがベストです。できるようになるまで、一緒に取り組んでくれる医院をおすすめします。
そういう歯科医院の場合、普段使っている自分のハブラシを持って行ってもいいのでしょうか?
もちろんです。普段使っている道具を歯科医院に持参して、歯科医や衛生士に相談してみてください。前回も申し上げましたが、大切なのは自分のお口の状況を知り、これをきっかけに、良い習慣につなげることですから。
できるようになるまで一緒に取り組んでくれる医院がおすすめ。
相性も重要。複数の歯科医に通ってもいい
歯みがきの指導が丁寧で、歯周病治療に強い。私はそういう歯科医院を選ぶことがいい、ということはわかりました。ただ、今、通っている医院はもう長く通っていて気に入っているんです。
無理に変える必要もないんですよ。近所であるとか職場に近いとか、雰囲気の良さや相性で歯科医院を選ぶことはとてもいいことだと思います。通いやすいということはとても大切なことですから。
歯周病予防は専門性のある歯科医院、クリーニングは今通っている歯科医院…というように使い分けてもいいんでしょうか。
はい、ぜひ、そういう使い分けをしてください。セカンドオピニオンも得られますしね。複数の歯科医院を活用して、よりよいお口の環境を目指していただければなによりです。
歯科医選びのポイント
1.まず自分のお口の環境を知る
2.歯周病、むし歯など専門&得意分野で選ぶ
3.普段使っている道具を使って指導してもらえる
4.近所、便利など「通いやすさ」も大切に
5.複数の歯科医院を活用してもOK
【体験 & 専門家が解説】口内フローラでここまでわかる!お口とカラダの健康状態を知って対策を