6月も、もう終わりですね。いつの間にやら2015年も折り返し地点!
「年初に目標を立てたけど、最近はあまり気に留めていなかった・・・」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこで今週は、糖尿病とうまくつきあう意識をあらためて高めていだたこうという思いから、こんな注意喚起のためのニュースをお届けします。
「HbA1c値が高いと、心疾患や脳卒中の発症リスクが高まる」というニュースは以前もお伝えしたことがありますね。以前のニュースは海外の人を対象とした研究結果でしたが、今回の内容は、まだ数多くない日本人を対象とした研究結果のため、ご紹介させていただきます。
今回の結果は、「多目的コホート研究」という、長期にわたる観察型の調査で明らかになりました。
「多目的コホート研究」では、日本各地にお住まいの方から、長期にわたって生活習慣についての情報を集め、どのような生活習慣が病気の発症に関連しているのか研究を行っています。
今回の調査は、日本各地にお住まいの約3万人を対象に行われました。研究チームは、糖尿病調査で測定したHbA1c値を使って、対象者を以下の6つの群に分け、その後の虚血性心疾患、また脳卒中などの心血管疾患リスクとの関連を分析しました。(「5.0%未満」「5.0~5.4%」「5.5~5.9%」「6.0~6.4%」「6.5%以上」「既知の糖尿病」)
そして、その後3万人の対象者のうち、追跡期間中に心血管疾患が935件、発生したそうです。
そこから分かったHbA1cの数値と、心血管疾患リスクがこちらの結果です。なお、以下のリスクはHbA1c5.0~5.4%を基準として考えた場合の値となっています。
<HbA1cと心血管疾患リスクの関連>
5%未満 ⇒「1.50倍」
5.5~5.9%⇒「1.01倍」
6.0~6.4%⇒「1.04倍」
6.5%以上 ⇒「1.77倍」
既知の糖尿病⇒「1.81倍」
この結果を見るとやはりHbA1cが高い人は、心血管疾患リスクが高いことが分かりますね。ですが一方で、少し気になることも。
この結果を見て「あれ?HbA1cが低い人も心血管疾患リスクが高いんだな」と 思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
なぜHbA1cが低い人でも、心血管疾患リスクが高まるのか、その理由は現状明らかになっていませんが、HbA1cの値が高い人だけでなく、低い人も心血管疾患リスクに注意することが重要であることが分かります。
※引用元:糖尿病ネットワーク
HbA1c値が高いと心疾患や脳卒中の発症リスクが上昇 - 2015年06月12日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2015/023583.php
[日本医療・健康情報研究所] Copyright @ 2015 Soshinsha.