働きながら2型糖尿病の治療をされている方は、皆さんの中にもたくさんいらっしゃると思いますが、処方された薬をちゃんと飲めていないという方の割合も多いかもしれませんね。
製薬会社の日本イーライリリーが行った調査によると、「半数近くの糖尿病患者が処方されている薬を指示通り飲めていない」のだそうです。
(働きながら複数の薬による治療を続けている40~50代が対象)
今週の糖尿病ニュースでは、この調査結果をもとに「働きながら治療を続ける糖尿病患者の生活スタイルに合わせた最新治療アプローチ」をテーマに日本イーライリリーが行ったセミナーの内容をご紹介します。
調査によると、医師に服用された薬が飲めない理由は、「外出先に持っていき忘れる」、「食事が不規則だったり一食抜いたりしてしまう」、「忙しくて飲み忘れる」などでした。
大半の方が自身の生活スタイルに合った治療を望んでいるにも関わらず、忙しさや不規則な生活が、適切な治療の障害となっているようです。
こうした調査結果をふまえて、治療継続について成果を上げている石井均・奈良県立医科大学 糖尿病学講座教授が講演を行いました。
石井均教授は、サンスター提供の番組「ヒポクラテスの誓い」にご登場いただいていて、皆さんにもご紹介させていただいていましたね。
石井均教授の講演によると、インスリン注射の痛みや、行動や自由が制限されるなど、日常生活の質が下がってしまうような治療が、治療の意欲を失う原因になっていることがあるそうです。
適切な治療を行うには患者本人の主体的な治療参加が必要ですが、石井教授は、患者の忙しい生活スタイルに合わせ治療を行うには医療従事者と患者のコミュニケーションがとても重要であり、患者と医療者の信頼関係が治療をうまく進める鍵となると訴えました。
例えば、石井教授が出会った働く2型糖尿病の方で、仕事が忙しくて糖尿病の治療がままならない上、医療機関では、医師に生活習慣の改善を厳しく求められたり、叱られるといった経験が積み重なりやる気を失ってしまうようなことがあったそうです。
「何のための治療かを理解し納得すること、その上で、どうすれば仕事や日常生活と両立していけるか、自分の生活リズムに合う薬や治療法はないか、我慢を楽しみに変える方法はないか」などを相談し、治療が円滑に行えるようになると、血糖コントロールや合併症防止などの対策もでき、治療のやる気向上につながると教授は言います。
糖尿病とのおつきあいはずっと続くものです。大きな我慢がいる治療や疑問をもったまま治療を続けるのは難しいですよね。また、続けるのが難しいと思った治療でも、始めてみると意外と難しくなかったり、効果が出て続けることができる場合もあるそうです。
治療を理解・納得できるように質問したり、また自分の生活リズムに合わせるための方法を相談できるような医療従事者との関係を築きたいものですね。
詳しくは、元記事に詳細が載っていますので、「元記事を読む」からご覧になってみてくださいね。
さて、皆さんは今回の記事をどうご覧になったでしょうか。特に忙しく働いていらっしゃる方は共感する点が多かったかもしれませんね。
※引用元:糖尿病ネットワーク
働きながら治療を続けるために 糖尿病合併症が心配な患者をサポート - 2015年09月10日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2015/024117.php
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