今週は、医師と患者の間における認識のずれについて特集したこちらのニュースをお届けします。
今回お届けするニュースは、インスリンの製造販売を行う会社の1つである、ノボ ノルディスクという製薬会社が今年9月、欧州糖尿病学会で発表した研究結果です。
ノボ ノルディスクは、「2型糖尿病患者で、基礎インスリンによってコントロールが得られていない人が、コントロールをどのように認識しているか、またそれが医師のコントロールに対する認識と異なっているか」について調査しました。
今回の調査結果は、英国、スウェーデン、スイスで実施されたウェブ調査に基づいています。調査は、基礎インスリンでコントロールが得られていない1,012名と、また各国の医師それぞれ100名に対して行われました。
また、その比較対象として、基礎インスリンによってコントロールが得られている英国の2型糖尿病患者295名からも情報が収集され、比較が行われました。
そして、基礎インスリンによる治療でコントロールが得られていない患者と医師、それぞれの認識を比較したところ、コントロールをどのように考えているかの「コントロールの定義」、またその「障壁」などで、医師と患者といった点で大きな隔たりがあることが分かりました。
特に、「基礎インスリンによる治療でコントロールが得られていないことによる影響、また、それがいかに生活に影響を与えるか」については、例えば以下のように特に大きな違いがあったそうです。
■機嫌・感情(医師33% vs 患者63%)
■予定を立てること(医師16% vs患者62%)
■その日にどれだけのことを達成したか(医師23% vs患者62%)
今回の研究を主導したメリル ブロド氏は「診察の際に、よりオープンな対話をすることで、こうした重要な点についてより深い理解が得られ、糖尿病の管理を改善し、一人ひとりにより効果的な治療計画を行うことが可能になる」とコメントしています。
糖尿病の治療には医師と患者のコミュニケーションが大切です。こうした認識に違いがあることを、まず医師と患者がお互いに知ることが 糖尿病治療をよりよいものに改善するための大切な一歩ではないでしょうか。
※引用元:糖尿病ネットワーク
医師と患者のコミュニケーションが良好だと糖尿病治療はうまくいく - 2015年10月09日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2015/024238.php
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