今週の糖尿病ニュースでは、健康チャレンジとあわせてHbA1cに関連したこちらのニュースをお届けします。
「HbA1c値が高いとがんリスクが上昇する」。
ちょっとドキリとするニュースですよね。一緒に詳しく見ていきましょう。
(皆さんよくご存じだと思いますが)HbA1c値は、血液中の赤血球中に含まれるヘモグロビンがどれくらいの割合でブドウ糖と結合しているかを示す値です。
HbA1c値は糖尿病の診断基準のひとつとして、血糖コントロールの指標ともされています。
このHbA1c値とがんとの関連性はこれまで報告はあったものの、十分には解明されていませんでしたが、昨年末、これまでの糖尿病調査のデータを用いた研究結果が発表されました。
研究では、HbA1c値「5.0~5.4%」を基準として設定し、「5.0%未満」、「5.0~5.4%」、「5.5~5.9%」、「6.0~6.4%」、「6.5%以上」、「既知の糖尿病」の6つの群に分けて、グループごとのがん発症率を調査しました。
その結果、HbA1c値「5.0~5.4%」の全がん発症リスクを1とした場合、その他のHbA1c値では、がんの発症リスクは以下のように上昇したとのことです。
「5.5~5.9%」⇒ 1.01倍
「6.0~6.4%」⇒ 1.28倍
「6.5%以上」⇒ 1.43倍
「既知の糖尿病」⇒ 1.23倍
糖尿病予備群の段階であるHbA1c値「6.0~6.4%」のグループでも、がん発症のリスクが約1.3倍弱になるという結果から、HbA1cがそれほど高くない早い段階での治療や糖尿病の予防が必要であることがわかりますね。
HbA1c値が高いと、なぜがんの発症リスクが高まるかというと、高血糖はDNAを損傷し発がんにつながったり、慢性的な高血糖状態が、がん細胞の増殖を助長するという見解があるそうです。
日頃から無理のない範囲で、継続的に、HbA1c値を低下させていこうという意識ががん予防にも繋がっていくのですね。
HbA1cは一朝一夕で下がるものではないので、下げるためには継続して生活習慣に気をつけることが大切ですよ。
※引用元:糖尿病ネットワーク
HbA1c値が高いとがんリスクが上昇 がん予防のために治療が必要 - 2015年12月25日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2015/024594.php
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