最近は寒い日と暖かい日が交互に訪れるので、毎日適応するのが大変ですね(^^;
今回は、特に1型糖尿病の方にぜひお伝えしたい、こんなニュースをお届けします!
あらためての説明となりますが、1型糖尿病とは、インスリン分泌を制御している膵臓のβ細胞がおもに自己免疫により破壊されることにより、インスリンがほとんど分泌されなくなり、生命を維持するためにインスリン治療が不可欠となる病気です。
根治するための方法として、現在は膵臓や膵島の移植が挙げられますが、ドナー不足や、移植後の拒絶を抑制する免疫抑制療法の開発といった、多くの課題を抱えています。
今回は、これらの問題を解決するために、ハーバード大幹細胞研究所のダグラス メルトン教授ら研究チームが行った研究をご紹介します。
2014年に研究チームは様々な細胞に分化する能力をもつ幹細胞に着目し、マウスにおいて、iPS細胞やES細胞からβ細胞を作成し、大量培養することに成功しました。そして、培養したβ細胞を糖尿病マウスに移植したところ、β細胞がインスリンを分泌し、高血糖の症状の改善がみられたそうです!
しかし、培養した細胞の移植を実現するためには、移植するβ細胞を免疫作用から守る方法の開発という問題点が残っていたのですが、今回研究チームは、免疫を抑える治療法の開発に成功したと報告しました!
その方法とは・・・バイオ自然工学を応用し、褐色の藻類に多く含まれている物質(アルギン酸塩)を用いて微小なカプセルをつくり、その中にβ細胞を入れるというものです。
つまり、自分の幹細胞からβ細胞を作ることで拒絶反応を防ぎ、免疫作用の攻撃を防ぐことが出来るカプセルに入れて移植するということですね。
しかもこのカプセルは、β細胞のインスリン分泌などの生体反応を妨害することがないそうです。
そして、幹細胞から生成したβ細胞をカプセルに入れ、糖尿病のマウスにβ細胞を移植する実験を行ったところマウスに移植されたβ細胞はすぐにインスリン分泌を開始し、174日にわたり機能し、血糖値を正常範囲に維持することができたのだそうです!!
人に対する試験も2~3年以内に開始できる見込みなのだそう。
この研究が進めば、1型の方の治療法が大きく変わりうる可能性があります。今後の再生医療への期待が高まります。今後とも注目していきたいですね!!
※引用元:糖尿病ネットワーク
β細胞の移植に成功 免疫反応を起こさずインスリンを分泌 - 2016年02月01日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/024671.php
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