今回は、フライドポテトやポテトチップス、ビスケットやクラッカー好きな方にはちょっと怖い、こんなニュースをお届けします。
みなさん、「アクリルアミド」という名前を聞いたことがありますか?
「アクリルアミド」とはアミノ酸の1種であるアスパラギンとブドウ糖・果糖が化学変化してできる有害化学物質のひとつで、フライドポテト、ポテトチップス、ビスケット、クラッカーなど様々なものに含まれています。(魚の焼け焦げに含まれる物質とは異なります。)
アクリルアミドが多く含まれる食品は高カロリー・高脂肪のものが多いことはわかっていましたが、それだけでなく、DNAに傷をつけ、がんの発症リスクを高めるおそれがあることがわかりました。
「フライドポテトやビスケットなどの菓子類は食べません!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、アクリルアミドは、家庭で加熱調理した場合にも生成され、菓子類だけではなく、なんと高温調理した野菜などにも含まれるのだそうです!
日本では、油で揚げたジャガイモや炒めたモヤシなど野菜から摂取されることが多いとのことです。モヤシを炒めて有害物質ができることは驚きではないでしょうか。
内閣府食品安全委員会が5年にわたって日本人の食生活におけるリスクを検討し、まとめたところによると、日本人の1日当たりの平均アクリルアミド摂取量は、動物実験で発がん性が確認されている量のおよそ1,000分の1で、EU加盟国よりは低かったのだそう。
EUと比べると低く、1,000分の1と聞くと少ないように思いますが、動物実験でがんが認められた最少量と日本人の平均推定摂取量が比較的近いのだそう。つまり、決して安心できる量ではないということですね!「できるだけアクリルアミドの摂取量を減らす必要がある」と結論づけられているので、減らすように意識していただければと思います。
では、家庭で普段行っている調理によって発生するアクリルアミドの量を減らすためにはどうしたらいいのでしょうか。
農林水産省は、家庭で調理するときにアクリルアミドができにくくする方法をまとめた冊子をホームページで公開しています。それによると、アクリルアミドを減らすために家庭でできる方法として、次の3つが効果的とのこと。
◎調理時間・温度に注意! ~必要以上に長時間、高温で加熱調理しない~
揚げ物は、油の温度や揚げる時間に注意し、炒め物も同様に、あまり焦がさないようにする。
◎加熱方法に注意! ~「煮る」「蒸す」「ゆでる」調理法が安全~
煮る、蒸す、ゆでるなどの調理法は、揚げたり炒めた時に比べてアクリルアミドの生成が抑えられます。また、食品を下ゆでしたり加熱前に水にさらすことも効果的です。煮る、蒸す、ゆでる調理法であれば、油を多く使うことがないので、カロリーも大幅にカットできますね。
健康的で低カロリーな料理については、こちらのページでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
▶糖尿病レシピ
◎使う食材に注意! ~低温で長期貯蔵したジャガイモを高温調理しない~
ジャガイモは、低温で保存するとアクリルアミドができる原因となる成分が増えます。低温で長期貯蔵されたジャガイモを、フライドポテトのような高温調理に使用することは避けましょう。
アクリルアミドを全く摂らないようにすることは大変ですが、量を減らすための工夫はどれも難しいことではないので、これから気をつけていきたいですね。
※引用元:糖尿病ネットワーク
油で揚げた食品に含まれる「アクリルアミド」 がんリスクが高いと報告 - 2016年03月04日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/025212.php
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