今回は、世界無形文化遺産に登録されている、日本が世界に誇れる日本の文化について、こんな記事をご紹介します。
みなさんは「うま味(Umami)」を、もちろんご存知ですよね。日本食に不可欠な味の要素のひとつであるうま味は、豊富な食材を使う、短時間で作られる、食材のもつおいしさを引き立てるなどの点が特徴的です。
うま味は、「酸味」「甘味」「苦味」「塩味」とあわせて、五味として位置づけられています。
「うま味」は日本で発見されたものですが、世界各地でさまざまなかたちで使われています。そんな「日本食」とともに世界に誇れる日本の文化であり、世界中で研究され、さまざまな料理に活用されている「うま味(Umami)」を上手に使うことで、減塩や食事の満足度を上げることができます。
うま味の成分は、昆布やタマネギ、ニンジン、セロリなどに含まれる「グルタミン酸」、肉や魚に含まれる「イノシン酸」、キノコ類に多い「グアニル酸」などがあり、これらの成分を組み合わせることで、うま味が飛躍的に強まり「こく味」となります。昆布でだしをとった後、さらにカツオ節でだしをとるという方法は、「うま味の相乗効果」を活用していますね。
肥満者率が高い欧米では近年、脂肪や糖分の少ない日本食が注目されていますが、その健康効果の鍵となるのが、生の肉や魚を煮込むのではない、乾物を用いて引き出す日本特有のうま味です。
英国のサセックス大学は27人の男女を2つのグループに分け、同じ朝食をとってもらった後、昼食の45分前に片方には、うま味成分であるグルタミン酸とイノシン酸が入っているスープを、もう片方のグループには両方とも入っていないスープを飲んでもらうという実験を4日間行いました。
その結果、うま味の入ったスープを飲んだ参加者は、満腹感を感じやすくなり、昼食の量が減りダイエットに成功したそうです。つまり、うま味には食事の満足感を高め、食欲を抑える効果があることがわかりました。
また、フィンランドで行われた研究では、それだけでは味気ない減塩メニューであっても、カツオだしなどグルタミン酸を付加することで満足感を得やすくなり、味わいも豊かになることが示されました。日本食は食塩が多くなりがちですが、うま味を使うことで減塩することができるということですね。
塩分の一部分をうま味で代替すると、もともとのおいしさは失わずに塩分量を減らせることが科学的に示されているので、時間のあるときにだしを多めに手作りして冷蔵保存したり、冷蔵庫に昆布を水に浸しただけの「昆布水」を常備するのも、塩分を減らすために手軽で便利な方法ですね。
サイトでは常備できる簡単なだしの作り方を紹介していますので、ぜひ参考にして「だし汁」を活用してみてくださいね(^u^)
▶植物性素材で作るだし汁
さらに、オランダの研究により、うま味成分としてもっともよく使われるグルタミン酸を多く摂取している人は、大腸がん発症リスクが低いことも明らかになっています。
日本料理にもよく使われるグルタミン酸には、疲労回復や脳の活性化、免疫力を高める効果などもあるとされています。うま味を上手に使う日本食がますます注目されることを期待したいですね。
毎日の食事をコントロールしなければならない糖尿病や高血圧の患者さんも、うま味を上手に使うことで、食事の満足度を上げることができます。
また、塩分制限が必要な腎臓病のある患者さんも、うま味を使えば無理なく減塩できるので、ぜひうま味を上手に活用してみてくださいね。
※引用元:糖尿病ネットワーク
「うま味」を食事に活用 食欲を抑え減塩に役立つ がんの予防効果も - 2016年05月24日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/025491.php
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