今回は、100歳を超えても若々しくいられる?!という、こんな記事をご紹介します。
みなさんは「慢性炎症」という言葉を聞いたことがありますか?炎症というと、傷や感染などで患部が赤くなったり、腫れたり、痛くなったり、熱をもつことをイメージされる方が多いかと思いますが、それらは「急性の炎症」と呼ばれるものです。
これに対して「慢性炎症」は、自覚症状がないまま全身に徐々に進行し、さまざまな病気を引き起こす炎症です。知らない間に全身で炎症を起こしているということは、なんだか怖い感じがしますよね。
この慢性炎症の原因の1つに肥満があります。内臓脂肪が蓄積すると、内臓脂肪から「TNF-α」「レプチン」「IL-6」などの炎症を引き起こす物質が分泌され、それらの炎症物質が血管、心臓、肝臓、腎臓などに運ばれることで動脈硬化を起こし、心筋梗塞や腎臓病などを発症しやすくなります。
さらに慢性炎症は動脈硬化を引き起こし、2型糖尿病や高血圧にも影響し、最近ではがんやアルツハイマー病にも関係していると考えられています。
米国のタフツ大学の人間・栄養・加齢研究センターは、BMIが25で標準体重と判定された男女220人を、食事で25%のカロリー制限を行うグループと、ふだん通りの食事を続けるグループにわけ、12ヶ月後と24ヶ月後に採血検査をすることで、カロリー制限と慢性炎症の関連について調べるという研究を行いました。
その結果、カロリーを制限したグループでは慢性炎症に関わる「C反応性蛋白」「TNF-α」「レプチン」などの物質が減少しており、またインフルエンザなどのワクチン接種後に発熱などの副反応が起こりにくいことがわかりました。
食事で適度なカロリー制限をすることで、肥満を解消でき、体のコンディションがよくなるだけでなく、さらに慢性炎症も抑えられるということですね。
また、同じ研究チームの違う研究により、カロリー制限をすることで内臓脂肪の蓄積が減少し、血圧やコレステロール値が低下、心臓病のリスクが減ることも明らかになっています。また、カロリー制限をしていても、適度な運動をしていると筋肉量を維持できることも示されています。
研究チームのメイドニー氏は、「体の老化を防ぎ、特に血管を若々しく保つために慢性炎症を防ぐことは効果的である可能性があります。食べ過ぎを防ぎ、ウォーキングなどの適度な運動を習慣として続けることが、健康的に齢を重ねるために必要です。」と述べています。
慶應義塾大学医学部百寿総合研究センターなどの研究チームが100歳以上の高齢者を対象に行った研究でも、炎症の程度が低いほど寿命が長いことが明らかになっています。炎症の程度が低いほうが長生きするだけでなく、日常生活の自立度が高く、認知機能も良い状態を保てるのだそうです。
炎症と寿命が関係していたなんて、初耳です!
ただし、過度のカロリー制限は栄養不良を引き起こす原因になるので、カロリー制限を始める前に、医師や管理栄養士に相談してくださいね。
※引用元:糖尿病ネットワーク
カロリー制限はやはり体に良い 慢性炎症を防ぎ若く保てることが判明 - 2016年08月01日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/025787.php
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