コラム
2017/02/27

糖尿病・メタボのリスクを低下! 今日からできる、よく噛むための“7ヵ条”

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今回は糖尿病のリスクを低下させる「咀嚼(よく噛むこと)」について、こんな記事をご紹介いたします。

「よく噛む」と糖尿病やメタボのリスクが低下 よく噛むための7ヵ条

あなたは普段食事を摂る時に、どれくらい噛むことを意識していますか?また、ひと口で何回くらい噛んでいるか知っていますか?

これまで「味わい深く、心豊かな人生を営むためには噛む+○○が大切!」などでもよく噛むことについてご紹介してきましたが、咀嚼(よく噛むこと)の大切さが最近注目されています。よく噛むことで「満腹中枢」が刺激されて食欲が抑えられること、よく噛むことが糖尿病の食事療法や肥満対策になることがこれまでの研究でわかっています。

京都大学の研究チームは、滋賀県長浜市の住民を対象に行われている「ながはま0次予防コホート事業」のデータを対象に、咀嚼の強さに応じてグループを4つに分けて解析しました。

その結果、男女ともに噛む力がもっとも高いグループは、もっとも低いグループに比べて、2型糖尿病リスクがほぼ半減することがわかりました。

噛む力の研究はまだあります。国立循環器病研究センターは、噛む力を示す「咀嚼能率」と「メタボ率」の関連を世界ではじめて明らかにしました。研究チームは、無作為に抽出した50~70歳代の1,780名を対象に基本健診と歯科検診を実施し、噛む力を示す咀嚼能率によって対象者を4つのグループに分けました。

4つのグループを解析したところ、咀嚼能率が下から2番目に低いグループのメタボ率は、最も咀嚼能率が高いグループに比べてメタボリックシンドローム有病率(メタボ率)が46%も高いことがわかりました。70歳代に限ってみると、咀嚼能率が低下したすべてのグループでメタボ率が67~90%も高くなっていました。

……これまで2つの実験を紹介しましたが、以下2つのことがわかりましたね。

・ 噛む力が強いと、2型糖尿病になるリスクが減る
・ 噛む力が強い人は、弱い人に比べてメタボ率が低い


それでは、「噛む力」を強くするためには何をどのように意識すればよいのでしょう?

メタボ率の話がありましたが、「よく噛む」ために参照したいのが、日本肥満学会の「肥満症治療ガイドライン」です。噛むことで空腹や満腹といった感覚に敏感になることから、肥満治療における行動療法のひとつとして「咀嚼法」を挙げ、ひと口で30回噛むことを推奨しています。

ある研究者は「ゆっくりと食べることで、食品の味や香りを楽しめ、食欲をうまくコントロールできるようになります。2型糖尿病や肥満リスクの低下につながります。よく噛んで食べることは、ゆっくり食べるための効果的な戦略となります。」と話しています

「ひと口で30回噛む」といっても、「1、2、3……」と噛む回数を数えるのは大変そうですよね。そこで噛む回数を増やすための「7つの方法」をご紹介します!

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1. ひと口の量を減らす
多くの人は「噛む回数はひと口の量によって変わらない」という研究結果があります。つまり、「これまでよりひと口の量を少なくしても、噛む回数は変わらない」ということです。ひと口を少なくすれば、完食までに口に含む回数が多くなるので、噛む回数をトータルで増やせますね。

2. 食事の時間に余裕をもつ
忙しく時間に追われるとつい早食いになってしまいがち。ゆっくり時間をとり、噛む回数を意識して食事をしましょう

3. 歯ごたえのある食材を選ぶ
食物繊維の豊富な食品、ナッツ類、コンニャクなど、歯ごたえのある食材を選びましょう。野菜やお肉を硬めに調理するのも効果的です。

4. 薄味にする
いつもの味付けより薄味にしてみましょう。食材本来の味を味わおうとして、よく噛むようになります

5. 食材は大きく、厚めに切る
食材を一口大に切りましょう。自然と飲み込める大きさまで噛むようになるので、噛む回数を増やせます。みじん切りや千切りより、乱切りのように大きめに切るのがオススメ。

6. まずは5回増やす
いきなり30回に増やすのは大変。まずは5回増やしてみましょう。慣れてきたら少しずつ増やしていけばOKです。

7. ガムに頼らない
ガムを噛むと食欲を抑えられますが、間食の習慣が抜けにくくなるので、あまりオススメできません。日常の食事でしっかり噛むことが大切です。
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噛む回数を増やすと、「レプチン」「ヒスタミン」「GLP-1」などの影響で満腹感を得やすくなり、食欲を抑えられます。レプチンは脂肪細胞が分泌するホルモンであり、脳に作用して「もう十分食べた」という満腹感を引き出し、食欲を抑えます

さらにレプチンは脂肪組織にも働きかけて、「カロリーを燃焼しよう」という信号も伝達します。レプチンは食事を始めてから20~30分後に分泌され始めるため、食事に時間をかけることでレプチンの作用を引き出しやすくなります。

食欲の抑制にはレプチンだけではなく、「ヒスタミン」も関わっています。時間をかけてよく噛むことで、ヒスタミンの量が増え、満腹中枢や交感神経が刺激されます。その結果、食欲が抑えられ、満足感も得やすくなります。

……つまり、よく噛むことは、良いことだらけ!ということですね。

私もついつい早く食べてしまいがちで、噛む回数をあまり意識できていませんでした。しかし、これだけ良いことがあるなら、噛む回数を意識しないのは損だな、と思うたまきでした。

 

▶元記事を読む

※引用元:糖尿病ネットワーク
「よく噛む」と糖尿病やメタボのリスクが低下 よく噛むための7ヵ条 - 2016年11月28日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/026210.php
[日本医療・健康情報研究所] Copyright @ 2017 Soshinsha.

※このコラムは、「糖尿病とうまくつきあう」サイトに掲載されたものです。
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