今回は「腸内環境」について、こんな記事をご紹介いたします。
腸内環境や腸内フローラなど、腸に関するニュースやテレビ番組などを見聞きする機会が増えていませんか?
これまで糖尿病ニュースでも、「【順天堂大学】腸内細菌と2型糖尿病のつながりを発見!」や「まだあった!おさんぽがもたらす、うれしい効果!おさんぽが腸内フローラを改善!?」などでもご紹介してきましたが、腸内環境が腸だけでなくさまざまな病気の発症に関わることが、最新の研究で明らかになってきています。
みなさんは腸内環境について、どのようなイメージを持っていますか?腸内環境というとピンとこない方でも、「善玉菌」「悪玉菌」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか?
人の体には多くの細菌が存在し、さまざまな作用をしています。大腸内に生息している腸内細菌だけでも、なんと100兆個。腸内細菌は人がもつ消化酵素だけでは消化できない成分を分解して栄養素をつくったり、免疫系を活性化するなど有益な働きをしています。
腸内細菌叢は通常、菌の種類や数といった全体のバランス(「腸内フローラ」)を保っていますが、ストレス・過労・暴飲暴食・抗生物質の摂取などのさまざまな要因で、腸内フローラが崩れてしまうことがあります。この腸内フローラのバランスが崩れると、大腸がんなどの腸疾患に加え、自己免疫疾患・代謝疾患などの全身性疾患にもつながることが知られています。
腸内細菌全体のバランスや、そこでつくられる物質に着目した研究が増えており、以下のように、腸内フローラが血糖コントロールとも深く関係していることも明らかになっています。
・血糖コントロールがずっと良好・徐々に改善する人の腸内には、腸内細菌が多くみられ、代謝や免疫など体の機能に良い影響を与える善玉菌が多い(イリノイ大学)
・日本人の2型糖尿病患者では、腸内フローラが乱れていると、腸内細菌が血流中へ移行しやすい(順天堂大学)
……つまり腸内環境は、全身の調子・状態に影響する、ということですね。
腸管(大腸や小腸などの消化管)は体の「内なる外」とも呼ばれ、体内でありながら外環境にさらされている器官です。中でも「大腸」は細菌の増殖に適した環境であるため、糞便1gあたりおよそ1,000億個の細菌が存在しています。
そんな腸内細菌の「研究の最先端」として世界から注目されている企業が、山形県鶴岡市にある「メタジェン」です。慶應義塾大学と東京工業大学が合同で設立したメタジェンは、腸内環境から人の健康状態を科学的に評価する便解析システムを開発するなど、腸内環境が体にどのような影響を与えるのか解明しようとしています。
メタジェンを立ち上げた福田真嗣氏らはこれまでに、腸内フローラから産生された物質が腸管感染症の予防や、大腸炎の抑制に関わっていることを明らかにしてきました。福田氏は『便にはその人の健康状態をあらわす情報が眠っている。この情報を抽出し、還元することができれば、人々の健康長寿に貢献できる』と話しています。
……今回の糖尿病ニュースでは、腸内環境が体に与える影響、また最新の研究についてご紹介しました。
腸内といわれると、「善玉菌」や「悪玉菌」のイメージが強いですが、血糖コントロールとも深く関係し、バランスを崩すと、腸の疾患や全身性疾患にもつながるとは驚きですよね。福田氏は『腸内デザインによる病気ゼロ社会"の実現を目指したい』と話していました。
そんな社会が早く実現されるといいな、と私も思います。そのためにも、まずは「できることから」ですね。私もまずは、食習慣から考えてみようかな。
以上、たまきでした。
※引用元:糖尿病ネットワーク
腸内デザインで血糖コントロールを改善 便をみれば腸内が分かる - 2016年12月16日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/026273.php
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