今回は「日常生活に簡単に取り入れられる運動方法」について、こんな記事をご紹介いたします。
運動が体に良いことはみなさんご存知だと思います。運動を続けると、糖尿病や高血圧の改善、心筋梗塞や脳卒中・腎臓病・がんなど、さまざまな病気の予防や改善につながります。
さらに、身体面だけでなく精神面でも良い効果があり、うつや認知症の予防・改善に役立つことも確かめられています。
そのため、米国の運動ガイドラインでは、18~64歳の成人は、ウォーキングなどの適度な有酸素運動を週に150分以上、または筋力トレーニングなどを取り入れた活発な運動を75分以上行うことが勧められています。
みなさんは、定期的な運動をできていますか?『運動が体に良いことはわかっているけど、なかなかできていない……。』という方も多いのではないでしょうか。
先ほど米国で推奨されている運動量をご紹介しましたが、米国疾病予防管理センターの調査によると実際に続けられている人は5人に1人だそうです。運動ができていないのは、みんな一緒、ということですね。
そんな方にとって、うれしい研究結果が発表されました。「インターバル・トレーニング」を取り入れると、1日に10分の運動でも効果がある。週に3回以上行えば、体を変えられる……というものです。
「インターバル・トレーニング」とは、“高負荷と低負荷の運動を交互に繰り返すトレーニング方法”です。代表的な例は、やや早歩きのウォーキングとゆっくりとしたウォーキングを数分毎に繰り返すことですが、これに「階段昇降」を取り入れるとより効果的であることも判明しました。
『そんな簡単なトレーニング方法、本当に効果的なの?』、『簡単だけど、長時間続けないと効果がないんじゃないの?』と思ってしまいませんか?
では、今回「効果がある」と判明した研究がどのように行われたのか、詳細を見てみましょう。
研究は、運動習慣がなく、1日の多くの時間を座って過ごす31名の女性を対象に行われ、参加者は、階段を使用した2パターンの「インターバル・トレーニング」に取り組みました。
パターン1: 20秒間のできるだけ早い階段昇降と、20秒間のゆっくりした階段昇降を交互に30分、週に3回行い、運動の前後には10分間のウォームアップとクールダウンを行う。
パターン2: 60秒間のできるだけ早い階段昇降と、ゆっくりとした昇降を交互に、3回行う。
6週間続けた結果、パターン1を行った参加者とパターン2を行った参加者共に、体力の向上が見られました。
パターン1の参加者では、最大酸素摂取量が12%増え、心血管性の健康状態が改善しました。また、この体力向上効果は「エアロバイクで自転車こぎを30分、休みなしに行う」場合と比較しても差がないことがわかりました。
パターン2の参加者では、最大酸素摂取量が7%増えました。階段昇降を短い時間だけ行った場合でも、十分ではないにしても運動の効果を得られることが確かめられました。
「階段昇降の運動は週に70分行わないと効果がない」という報告が過去にありましたが、今回の研究から「階段昇降は70分より少ない時間でも十分に効果を得られ、心血管性の健康状態も向上する」ということが明らかになりましたね。研究を行った、マーチン・ギバラ教授は以下のようにアドバイスしています。
『階段昇降は、昼食後の休み時間、家事の合間、休みの日の自宅でも、すぐに取り組める運動です。実際にやってみると、階段を上るのはなかなかハードな運動ですが、呼吸を整える時間を取り入れれば、誰でも安全に効果的に取り組める運動になります』。
「インターバル・トレーニング」は生活の空いた時間にできます。階段の昇り降りはちょっとした時間で、すぐに、無料で行うことができるので、日常生活の中に取り入れやすい運動といえますね。
「インターバル・トレーニング」実践のために、ギバラ教授のアドバイスをいくつかご紹介します。
・階段の上り下りは誰でも、いつでも、できる運動。やらないよりもやったほうが良い
・1日30分を目標に行う
・運動前のウォームアップと、運動後のクールダウンを加えるとさらに効果的
・運動に慣れて余裕が出てきたら、以下の「本格的なインターバル・トレーニング」を取り入れる
・「3分間ゆっくり歩く→3分間息が上がる程度に活発に歩く→また3分間ゆっくり歩いて呼吸を整える」を繰り返す
以上「インターバル・トレーニング」についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。 「スポーツジムに通う」、「ウォーキングをする」など、運動のためにまとめた時間をとるのが難しい場合でも、エスカレーターやエレベーターでの移動を階段に置き換えれば、運動を日常に取り入れられる、というわけですね。
日常に取り入れられる習慣なので、早速実践しよう! と思ったたまきでした。
※引用元:糖尿病ネットワーク
わずか10分の「階段昇降」が実践的な運動に 階段なら続けられる - 2017年03月03日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/026592.php
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