コラム
2017/06/12

実は危険な「ヨーヨーダイエット」って?

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今回は「ヨーヨーダイエット」について、こんな記事をご紹介いたします。

「ヨーヨーダイエット」を防ぐために 短期間の体重の変動は危険

糖尿病ニュースでお伝えしてきましたが、体重を適正にコントロールすると、2型糖尿病や高血圧、脂質異常症などが改善し、寿命も延ばせることが科学的に判明しています。ダイエットに取り組んだ経験がある方は多いのではないでしょうか。

数あるダイエット方法の中でも、最近は低炭水化物ダイエットなどの、短期間で痩せられるダイエットが注目を集めていますが、これらは短期的には効果があるものの、リバウンドしてしまうケースが多くみられます。

このような、体重が短期間で大きく変動するダイエットは「ヨーヨーダイエット」と呼ばれています。そして、変動が増加であれ減少であれ、また、肥満でない人であっても、この「ヨーヨーダイエット」は体に悪い影響を与えるということが分かっています。

いくつかの研究結果を見てみましょう。

ヨーヨーダイエットで死亡リスクが向上する

中年期の肥満や過体重によって、心臓病で死亡する危険性が上昇する原因には、冠状動脈性疾患と心臓突然死の2つがあります。

米国のブラウン大学附属病院が、閉経後の女性約15.8万人を平均11.4年にわたって追跡調査した結果、

体重を5kg以上減らした後に体重が元に戻った女性は、体重が安定している女性に比べ、心臓突然死のリスクが高まる

正常体重内で「ヨーヨーダイエット」を繰り返す女性は、冠状動脈性疾患の死亡リスクが66%増加する

体重増加後、または減少後に体重が元に戻らなかった女性は、冠状動脈性疾患の死亡リスクが変わらない

ことが明らかになりました。

「減量した体重を長期間にわたって維持することが重要です。生涯にわたって適切な体重を保つために必要なのは、健康的な生活習慣を続けることです」と研究者は述べています。

心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇

ニューヨーク大学医療センターが、コレステロール降下薬の臨床試験に参加した患者9,509人を4年間以上にわたって追跡し、健康状態と体重の変化について調査した結果、

・心筋梗塞などを起こした患者が、その後数年間で大きく体重の変動を起こすと、心筋梗塞や脳卒中などが増えて寿命にも悪影響がある

極端な体重変動をする人は、心血管疾患や心筋梗塞、心停止、血行再建術の施行や閉塞性動脈硬化症、狭心症、脳卒中、心不全などを起こしやすい

体重変動幅が最も大きい人は、変動幅が最も小さい人に比べて、死亡リスクは24%、心筋梗塞リスクは17%、脳卒中リスクは36%、上昇した

ことが判明しました。

ヨーヨーダイエットは骨量も低下する

米国のオレゴン州立大学の研究では、ヨーヨーダイエットは骨量や筋肉の減少の引き金になることが明らかになっています。

多くの場合、一度骨量を減らすと、その後体重が増えても減った骨量は戻りません。また、ダイエット目的で運動はせず食事制限だけを行うと、脂肪だけでなく筋肉も少なくなってしまいます。

これらの理由から、ヨーヨーダイエットは骨損失の問題となり、特に高齢者の骨量の低下は、骨折リスクを高め、生活の質に重大な影響を及ぼす可能性があります。

なぜヨーヨーダイエットが起こるのか?

ヨーヨーダイエットが起こる理由には本人の意思の強さだけではなく、「ホメオスタシス」や「レプチン」などの体の仕組みも関係しています。

(1) ホメオスタシス
「ホメオスタシス」とは、体に少量のエネルギーしか入ってこない場合、エネルギー消費を減少させて体の状態を維持しようとする性質のことです。食事制限によるダイエットを行うと、「ホメオスタシス」の機能が働き、食事量の減少にともなってエネルギー消費量も減少するので、それ以上体重が減らなくなります。

この場合、ダイエットを諦めて食事の量を元に戻しても、エネルギー消費が以前より減少しているので、体脂肪が付きやすくなるおそれがあります。

(2) レプチン
「レプチン」は、脳に作用して食欲に影響するホルモンです。レプチンは脂肪細胞で作られ、太って脂肪細胞が大きくなると分泌量が多くなります。

一方、痩せている場合は分泌量が少なくなり、脳が「栄養が不足している」と判断して食欲が増進します。体重を急激に減らした場合、レプチンの分泌量も急速に減り、脳がそれを感知して食欲を増進させるのでリバウンドを起こしやすくなります。

「ヨーヨーダイエット」を防ぐための対策は

では、「ヨーヨーダイエット」を防ぐためには、どのようにすればよいのでしょうか。

米国心臓病学会(AHA)は「体重をゆっくり減らしていくことが大切」だとしています。1か月に0.5~1kgずつ減らしていくと、リバウンドが起こりにくくなります。3ヵ月で1.5~3kg、1年では5kg程度が目安です。

また、日本肥満学会は、肥満やメタボリックシンドロームの対策として、食生活の改善と運動の増加をはかり、まずは3kgの減量、3cmのウエスト周囲径(へそまわり)の短縮を実現することを提案しています。

無理のないダイエットを心がけよう

これまでも糖尿病ニュースでは、体重管理が重要であることをご紹介してきましたが、急激なダイエットは体に悪く、またリバウンドも良くないということですね。健康のためのダイエットが、健康に悪ければ意味がありません。

いろんなダイエット方法がありますが、健康的で無理のないダイエットを心がけてほしいな、と思うたまきでした。

 

▶元記事を読む

※引用元:糖尿病ネットワーク
「ヨーヨーダイエット」を防ぐために 短期間の体重の変動は危険 - 2017年04月26日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/026813.php
[日本医療・健康情報研究所] Copyright @ 2017 Soshinsha.

※このコラムは、「糖尿病とうまくつきあう」サイトに掲載されたものです。
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