今回は「肩の痛み」について、こんな記事をご紹介いたします。
皆さんは肩こりに悩まされていませんか?また、周りでひどい肩こりに悩んでいる方はいらっしゃいませんか?
ひと言で「肩こり」といってもその原因は様々であり、原因が1つとは限りませんが、糖尿病の人には「五十肩」に悩まされている人が多いと言われています。「五十肩」は別名「肩関節周囲炎」と呼ばれ、主に以下のような症状があらわれます。
・肩が痛んで腕が上がらない
・衣服の脱ぎ着ができない
・夜や朝方に肩が痛くて目が覚める
・痛い方の肩を下にして眠れない
・痛い方は腕を後ろに回せない
五十肩はその名の通り、40~50歳代で多く発症します。この年代は加齢によって肩周辺の組織がもろくなり始める年代です。
また、仕事や運動などで肩を動かす機会が多くあります。さらに肩関節は動く範囲が大きく、骨以外の組織が引っ張られやすいため、これらが要因となって、肩関節周辺の組織が変性し炎症が生じた結果、痛みが起こります。
「たかが五十肩」と痛みを軽くみられる傾向にありますが、重症化する場合もあるので注意が必要です。
五十肩発症には細かなメカニズムがありますが、糖尿病がある人は、そうでない人と比べて五十肩になりやすく、治りにくいことが分かっています。
糖尿病は血糖のコントロールがしづらい状態です。この血糖コントロールの不良が、肩の動きに大きな役割を果たしている腱板の損傷部分が血行不良を引き起こすことが、糖尿病の人が五十肩になりやすい原因の1つとして考えられています。
米国の整形外科医学アカデミーや東京女子医科大学東医療センターの調査により、以下のことが判明しています。
・糖尿病患者の10~20%が五十肩に悩まされている。
・40歳代から60歳代で五十肩が増える。
・男性よりも女性の方が発症する可能性が高い。
・五十肩で受診している人で糖尿病と診断された割合は約3割に上る。
五十肩の症状が軽い場合は、簡単な運動で改善できます。五十肩には「2つの期」があります。
1.突然痛みが発生する「急性期」
通常、発症から2週間ほど続きます。痛みは強いものの、無理をすれば肩を動かせます。また、肩を動かしていない安静時や就寝時にも痛みが出ます。痛みを伴う動作は無理に行わないようにしましょう。
2.肩の動きが制限される「慢性期」
通常、6ヵ月ほど続きます。痛みは急性期よりは軽減しますが、肩は動かしにくく、無理に動かそうとすると痛みが出ます。痛みが軽減してきたら、硬くなった肩関節をほぐすために肩の運動を行い、少しずつ肩の可動域を広げていきましょう。
急性期・慢性期ともに、症状をみて適切な運動を行いましょう。また、体操を行う場合は、呼吸を止めずに、ゆっくりした動作を心がけ、痛くない・あくまで気持ちよいと感じる程度に加減しましょう。
糖尿病で併発した五十肩の場合は、整形外科の治療だけでなく、血糖値のコントロールが不可欠です。糖尿病のある人は五十肩の発症や悪化を防ぐためにも、食事や運動、薬などで適切な血糖コントロール行うことが重要です。
以上、五十肩についてお届けいたしました。
五十肩の多くは1~2年で自然に治るか、日常生活に支障をきたさない状態になる、と言われています。しかし、記事中でご紹介したように重症化も考えられますので、気になる場合はまずは整形外科を受診してくださいね。
※引用元:糖尿病ネットワーク
「五十肩」は糖尿病の人がなりやすい 肩の痛みにこうして対策 - 2017年08月28日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/027262.php
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