今回は、「ちょっとした運動と寿命」の関係について、こんな記事をご紹介いたします。
みなさんは毎日、どのくらい運動をしていますか?ランニングやストレッチなどの運動が健康に良いと分かっていても、時間をみつけて毎日続けるのは、なかなか難しいですよね。
そんな人に嬉しいニュースです!
家の掃除、洗濯物干し、階段の昇り降り、ガーデニングなどの「生活活動」を1日に10分増やしただけで、健康を大幅に改善できるという研究が発表されました。また、徒歩通勤などの軽い運動についても、毎日積み重ねることで寿命を延ばすことが期待できるそうです!
サイモンフレーザー大学・健康科学部のスコット リア教授らは、医学誌「ランセット」で 「週750分のより活発な運動や身体活動は、さらに死亡率の低減につながる」と発表しました。
研究チームは、富裕国および貧困国17ヵ国の都市と地方に住む、35~70歳の13万人を対象に、約7年間にわたって追跡。心臓発作、脳卒中、心不全を起こした人の数を調べ、それぞれの身体活動レベルと比較する、大規模な前向き疫学研究(PURE研究)を行いました。
その結果、以下のことがわかりました。
・運動や生活活動が、死亡および心血管疾患リスクの低下に関連している
・出身国や運動の種類は、リスク低下の度合いと関連はない
・ウォーキングなどの運動と、毎日の通勤あるいは家事の一部として行われた生活活動との間に差がない
つまり通勤時のウォーキングや掃除、台所仕事、洗濯物干しなどの生活活動であっても、積み重ねれば寿命を延ばすことが期待できるということですね。
リア教授は、「週の大半の日に30分歩くだけでも、実質的な利益があることが分かりました。それが無理な場合はわずか10分の運動でも効果はあります。もっとも懸念すべきなのは、まったく運動しないことです」と話しています。
ウォーキングやランニングなどの心拍数を上げる運動だけでなく、中強度以上の「生活活動」でも日々行うことで、運動同様の効果が見込めるということがわかりました。では、中強度以上の生活活動とはどのようなものがあるのでしょうか?
中強度以上の生活活動には、以下のようなものが挙げられます。
・散歩をする、自転車に乗る
・階段の昇り降りする
・家の掃除、荷物の積み下ろしをする
・ガーデニング、大工作業をする
・活発に体を動かして子どもと遊ぶ、高齢者の介護をする
これらを積み重ねることで、死亡や心血管疾患のリスク低下に期待ができます。体が慣れてきたら、1日に合計30分の運動や週5日の生活活動を目標にすると、より効果的です。
世界保健機関(WHO)は、毎週150分の「中等度」の運動、または75分の「強度」の運動を行うことを奨励しています。
対象者のうち、心血管疾患が起こったのは、WHOのガイドラインを満たした人で3.8%、満たさなかった人では5.1%でした。また死亡リスクは、ガイドラインを満たした人では4.2%、満たしていない人では6.4%とい、いずれも運動が不十分な群の方が高い結果となりました。
ガイドラインを満たした運動をすることで、全ての原因による死亡リスクを28%低下させ、心疾患のリスクを20%低下させることができます。
また、運動による改善作用は、運動量を増やすほど上昇し、活発な歩行などを週に750分以上している人では死亡リスクが36%も低下しました。
「運動による有益性を理解するためには、余暇の運動やスポーツだけでなく、日常の生活活動も考慮に入れる必要があります。先進国では生活が忙しく、座りっぱなしの生活をする人が多いため、毎日の生活に運動や生活活動を取り入れることは、これまで以上に大切です」と、リア教授は話しています。
ウォーキングなどの運動は費用もかからず、世界中で行うことができる、効果的でインパクトの大きい対策です。世界保健機関(WHO)の運動ガイドラインでは、先進国でも低~中所得の国でも共通して次のことを推奨しています。
▽18~64歳の成人
・1週間で150分の中強度の有酸素運動や75分の高強度の有酸素運動、または中強度と強強度の運動を組み合わせた運動をする
・健康効果を上げたい場合は、中強度の有酸素運動を1週間で300分、または高強度の有酸素運動を150分行う
・筋力トレーニングを週に2日行う
▽65歳以上の高齢者
・週に3日以上、活発な運動をする
・1週間で150分の中強度の有酸素運動や75分の高強度の有酸素運動、または中強度と強強度の運動を組み合わせた運動をする
・健康効果を上げたい場合は、中強度の有酸素運動を1週間で300分行う
・筋力トレーニングを週に2日行う
スポーツジムに行って体を動かすことも大事な活動ですが、忙しくてジムに行けないという人も多いですよね。そんな人でも、たとえば仕事や昼食時にウォーキングをすることで、ジムに通うのと同じような効果を得ることができますので、ぜひチャレンジしてみましょう!以上、たまきでした。
※引用元:糖尿病ネットワーク
運動時間を10分増やしただけでも寿命を延ばせる 通勤や家事でもOK - 2017年10月10日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/027421.php
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