今回は「血中ビタミンDの効果」について、こんな記事をご紹介いたします。
みなさんは、普段からビタミンの摂取を心がけていますか?ビタミンというと、ビタミンCのイメージが強く、それぞれのビタミンの効果を知らない方や、あまり意識したことがないという方も多いのではないでしょうか。
そんなビタミンの1種であるビタミンDについて、血中のビタミンD濃度が上昇することで、がんのリスクが低下することが、最近の研究によって分かりました。
ビタミンDの効果とは?またどのようにすれば、ビタミンDをとることができるのでしょうか?
ビタミンDは、脂溶性ビタミンで、カルシウムとともに骨代謝で重要な役割を果たしています。近年の研究では、細胞増殖を抑えたり細胞死を促進したりする作用により、がんを予防する効果があると考えられています。
これまでの研究では、血中ビタミンD濃度が上昇すると、大腸がんや肺がんを発症するリスクが低下することが報告されていた一方で、大腸がん・肺がん・乳がん・前立腺がん以外のがんや、がん全体を対象とした研究は行われていませんでした。
日本人を対象に、さまざまな生活習慣と、がん・2型糖尿病・脳卒中・心筋梗塞などとの関係を明らかにすることを目指す研究の1つに、「JPHC研究(多目的コホート研究)」があります。
ビタミンDは脂溶性ビタミンであり、以下のことが分かっています。
・カルシウムとともに骨代謝において重要な役割を果たす
・細胞増殖の抑制や細胞死を促進することによって、がんを予防すると考えられている
研究チームは、このビタミンDに着目し、がん患者3734人を含む8190人を対象に、血中ビタミンD濃度を測定しました。そして、血中ビタミンDの濃度によって、対象者を以下の4つのグループにわけ、がん全体や部位別のがんとの関連を調べました。
グループ1:血中ビタミンD濃度がもっとも低い
グループ2:血中ビタミンD濃度が2番目に低い
グループ3:血中ビタミンD濃度が2番目に高い
グループ4:血中ビタミンD濃度がもっとも高い
解析の結果、以下のことが分かりました。
グループ1(血中ビタミンD濃度がもっとも低い)を基準とすると、
・グループ2(2番目に低いグループ)は、がん全体の発症リスクが0.81倍に低下
・グループ3(2番目に高いグループ)は、がん全体の発症リスクが0.75倍に低下
・グループ4(もっとも高いグループ)は、肝臓がんの罹患リスクが0.45倍に低下
・ほぼ全ての部位でがん罹患リスクが上昇する傾向はみられなかった
グループ4(もっとも高いグループ)において、グループ3を上回るがん全体の発症リスクの低下がみられませんでした。このことから、血中ビタミンD濃度が一定のレベルを超えた場合、それ以上のがん予防効果は期待できない可能性もあるのだそう。
今回の研究で血中ビタミンD濃度が上昇すると、がんの発症リスクが低下するということが分かりました。この結果は、過去の研究で示されたビタミンDのがん予防効果を支持するものなのだそう。
では、ビタミンDを摂るためには、何をしたらよいのでしょうか?
ビタミンDを摂る方法の1つが、食物から摂る方法です。ビタミンDは魚類やきのこ類に多く含まれています。 さらに、ビタミンDは日光に当たることで皮膚でもつくられます。
「適切な食事を摂り、太陽の光を浴びることが、がんのリスク低減に役立つ」とされています。
この研究から、バランスの良い食事を摂ることと、太陽の光を適度に浴びることが大切だということが分かりますね。みなさんも、天気の良い日にはぜひおさんぽをしてみませんか。たまきも休日のおさんぽを始めてみようと思います。
※引用元:糖尿病ネットワーク
血中のビタミンD濃度が高いとがんリスク低下 日本人3万人以上を調査 - 2018年04月04日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2018/027933.php
[日本医療・健康情報研究所] Copyright @ 2018 Soshinsha.