今回は「ナッツの効果」について、こんな記事をご紹介いたします。
ナッツを習慣として食べることによって、2型糖尿病の人は、心血管疾患や脳卒中の危険性を下げられることが、ハーバード大学公衆衛生大学院などの研究で明らかになりました。
2型糖尿病の人の多くは、コレステロール値が高くなりやすく、脂質異常症を併発しやすいため、心疾患や脳卒中の危険性が高くなります。なぜナッツを食べることで心血管疾患のリスクが低下するのでしょうか。研究結果とともに詳しくお伝えしたいと思います。
ナッツに多く含まれている不飽和脂肪酸には、悪玉のLDLコレステロールや中性脂肪を減らし、動脈硬化を防ぐ作用があります。これまで、ナッツが心筋梗塞などの心疾患やメタボリックシンドロームの改善に役立つという研究が発表されていました。
しかし、心臓病のリスクの高い2型糖尿病の人が食べるとどのような効果を得られるかは分かっていませんでした。
この研究は、看護師健康調査と医療従事者追跡研究に参加し、研究開始前に2型糖尿病と診断された約1万6,000人の医療従事者を対象に実施しました。
参加者は健康診断を定期的に受け、クルミやアーモンド、カシューナッツなどナッツの摂取頻度についてのアンケートに回答しています。
追跡期間中に、心血管疾患を発症したのが3,336例(冠動脈性心疾患が2,567例、脳卒中が789例)、死亡したのが5,682例(心血管疾患が1,663例、がんが1,297例)となりました。
ハーバード大学公衆衛生大学院栄養学部のギャン リウ氏は「今回の研究では、2型糖尿病の患者がナッツを食べると、心血管疾患の合併と早世が減ることを示す証拠が得られました。食事療法にナッツ類を含めることが勧められます。」と話しています。
糖尿病を発症していない人でも、食事に適量のナッツを加えることは、どの年齢においても有益である可能性があるといいます。心臓病の予防の観点からは、少量でよいので、なるべく毎日ナッツを食べると効果的とのことです。
ナッツ1サービング(一食分として食べる量)の重量は28~34gで、カロリーは160~200kcalぐらいです。その半分が脂肪で、そのうち80~90%が不飽和脂肪酸となっています。
研究では、週にナッツを5サービング食べていた人では、1ヵ月に1サービング未満しか食べなかった人に比べて、以下のような結果となりました。
・総心血管疾患の発症率:17%低下
・冠動脈性心疾患の発症率:20%低下
・心血管疾患死:34%低下
・全死因による死亡:31%低下
また、糖尿病と診断された後で、食習慣を変えてナッツを食べるようになった人では、食習慣を変えなかった人に比べて、以下のような結果となりました。
・心血管疾患のリスク:11%低下
・冠動脈性心疾患のリスク:15%低下
・心血管疾患死:25%低下
・全死因による死亡:27%低下
毎回の食事にナッツを加えることで、心血管疾患のリスクを3%、心血管疾患による死亡のリスクを6%、それぞれ減らせるといいます。カナダのトロント大学が行った別の研究でも、2型糖尿病患者が炭水化物をナッツ類に置き換えると、血糖コントロールが改善することが示されています。
「なぜナッツが心臓の健康に有用であるか」を示す科学的なメカニズムには不明の点も多いですが、研究者は、ナッツが血糖や血圧のコントロール、脂肪代謝の改善、血管機能の改善、炎症の抑制などと関連していると指摘しています。
ナッツは、日常生活でも比較的に入手しやすく、食事療法として取り入れるのは難しくないと思います。「一度に大量のナッツを食べるのは勧められませんが、毎食に少し加えるだけならすぐに実行できます。不健康な生活スタイルを改善し、運動を習慣として続けて、健康的な食事を続けることが求められています」と、ディードワニア教授は話しています。
毎日ナッツを食べることで食事改善につながるなら、試してみる価値はありそうですよね!たまきも、日々の食事にナッツを取り入れて、生活習慣病対策をしていきたいと思います。
※引用元:糖尿病ネットワーク
糖尿病の人が「ナッツ」を食べると心血管疾患リスクが低下 1.6万人を調査 - 2019年02月22日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2019/028926.php
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