がん治療とお口のトラブルには密接な関係があります。口腔ケアと全身の健康に関する研究を続けてきたサンスターは、がん治療における口腔ケアの重要性に着目し、医療関係者や患者さんの意見をくみあげた、口腔ケアの研究開発や情報発信に取り組んでいます。 がんとたたかう方のお役に少しでも立てるよう、お口の悩みを軽減するための口腔ケア関連の情報を提供しております。
「歯周病」と聞くと、みなさんどのような想像をしますか?
歯ぐきが腫れる、歯ぐきが下がる、歯が抜ける…などさまざまなイメージがあると思います。がん治療にも深い関係がある歯周病について、少し学んでみましょう。
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。歯を支えている組織のうち、歯肉(歯ぐき)のみが炎症を起こしている状態を歯肉炎、歯を支える歯槽骨や歯根膜に炎症が広がっている状態を歯周炎といい、その総称を歯周病といいます。炎症が進行すると、歯ぐきや歯槽骨、歯根膜などの歯周組織が破壊され、歯が揺れてうまくものが噛めなくなり、最後には歯が抜け落ちてしまいます。
炎症が発生する原因は、歯と歯ぐきの境目の清掃が行き届かず、多くの細菌を含んだ汚れ(歯垢)が蓄積することです。そのため、歯周病予防のためには、歯の表面だけでなく歯と歯ぐきの境目を意識してハブラシを当てることが重要となります。
①抗がん剤治療やお口やのどの周辺に放射線治療を行うと、唾液を出す唾液腺という器官がダメージを受けて唾液の出にくい状態になることがあります。唾液には、自浄作用(汚れを洗い流す作用)、抗菌作用などがあり、私たちのカラダを細菌から守ってくれています。そのため、唾液が出にくいお口の中は歯周病のリスクが高くなります。また、放射線治療後は歯周病やむし歯などから顎の骨へ感染し、そのまま放置してしまうと顎骨壊死を起こす可能性もあるので注意が必要です。
②抗がん剤治療によって体力が低下すると、歯周病が悪化し、今まで症状がなかったのに急に痛みや腫れが起こることも少なくありません。治療が決まったら、前もって歯科医院でチェックしてもらうことをおすすめします。
このようにがん治療前から注意が必要な歯周病ですが、特に歯周病初期の段階では自覚症状がほとんど出ず、歯科医院での検査を受けないと正確な診断を行うことはできません。
歯周病は自覚症状がほとんどない病気です。がん治療前~治療中は、主治医と相談をしながら歯科医院で定期的な健診を受けたり、ちょっとでもおかしいかな?と感じたらすぐに歯科医院を受診しましょう。
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