がん治療とお口のトラブルには密接な関係があります。口腔ケアと全身の健康に関する研究を続けてきたサンスターは、がん治療における口腔ケアの重要性に着目し、医療関係者や患者さんの意見をくみあげた、口腔ケアの研究開発や情報発信に取り組んでいます。 がんとたたかう方のお役に少しでも立てるよう、お口の悩みを軽減するための口腔ケア関連の情報を提供しております。
がん治療における『副作用』は皆さんが気にしていることかと思います。お口に関わる事では、口内炎だけでなく吐き気や手先のしびれなどで歯みがきが億劫になってしまうこともあります。そのような症状が起こる前に、お口の中をきれいにしておく、うがいの習慣をつけておくなどあらかじめ環境や心の準備をしておくことで、お口の中に現れる症状を予防したり、早期に対応することができます。そのため、今回は治療における代表的な副作用と合併症に関する知識、心構えについてお話していきます。
がん治療については、がんに罹患している部位やその周囲の組織にがんが潜んでいる可能性がある部位にアプローチをする手術療法と放射線療法、そしてカラダのどこかに潜んでいる可能性がある、または血液中の血球にがんがある場合にアプローチをする化学療法、さらに免疫療法などの新しい治療方法があります。どの治療も副作用が全くないというわけではありません。主な副作用としては、下表のようになります。
がん治療によってすべての人に吐き気や脱毛がみられるわけではなく、可能性がある症状のすべてが必ず出現するわけではないことを知っておくことが大切です。がんの治療は様々です。同じ治療をしていても、副作用の出かたには個人差があります。同じ部位のがんでも、人によって症状や治療経過など詳細は異なります。
治療についての正しい知識を備えることが必要です。そのためにも、わからないことは医師に尋ねて説明してもらう、がん患者支援センターを頼ることも良策です。患者さんの中では、治療までの時間がもったいない、早く治療をしたいのに検査ばかりで気持ちが落ち着かないと話す方もおられますが、治療前に副作用や合併症に備えて、準備をすることも大切です。例えば、職場の理解を得て就労と治療を両立するための準備を行っておく、口腔内の菌数を減らすために歯科で専門的な歯垢除去を行う、バランスの良い食事をしっかりと摂り、体力をつけておくことなどです。
がん治療は入院治療から外来治療へと移行しており、患者自身のセルフマネジメントが求められています。また、昨今では医療者や家族だけではなく患者同士でも支えあっていく活動が盛んになっています。「患者会」や「患者サロン」などの実際に顔をあわせる場や、インターネット上のコミュニティなど、多様な中から選択することができます。生活や体調にあわせて、活用してみてはいかがでしょうか。
<参考文献>
近藤まゆみ, がんサバイバーシップ がんとともに生きる人びとへの看護ケア, 医歯薬出版, 2006. National Coalition for Cancer Survivorship(NCCS:がんサバイバーシップ連合): https://www.canceradvocacy.org/(2019.4.11最終アクセス)
国立がん研究センター がん対策情報センター: https://www.ncc.go.jp/jp/cis/divisions/05survivor/index.html(2019.4.11最終アクセス)
認定NPO法人キャンサーネットジャパン: https://www.cancernet.jp/(2019.4.11最終アクセス)
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