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2020/08/05

造血幹細胞移植の時のお口のケア~がん治療中の方へ~

がん治療とお口のトラブルには密接な関係があります。口腔ケアと全身の健康に関する研究を続けてきたサンスターは、がん治療における口腔ケアの重要性に着目し、医療関係者や患者さんの意見をくみあげた、口腔ケアの研究開発や情報発信に取り組んでいます。 がんとたたかう方のお役に少しでも立てるよう、お口の悩みを軽減するための口腔ケア関連の情報を提供しております。

監修/蓜島桂子(はいしま けいこ)
歯科医師。浜松医療センター歯科口腔外科 部長。
新潟大学歯学部小児歯科学教室、昭和大学歯学部口腔衛生学教室を経て、1999年4月より浜松医療センター歯科口腔外科に勤務。
監修/内藤慶子(ないとう けいこ)
歯科医師。2005年4月聖路加国際病院 歯科口腔外科前期研修医。2007年4月浜松医療センター 歯科口腔外科勤務。

造血幹細胞移植とは、通常の化学療法や免疫抑制療法だけでは治すことが難しい血液がんや免疫不全症などに対して、完治させることを目的として行う治療です。大量の化学療法や全身放射線療法などの移植前処置のあとに、治療を受ける方自身、またはドナーから事前に採取した造血幹細胞を点滴で投与します。移植後の口腔内は病原菌が繁殖しやすい状態にあり、口腔乾燥やむし歯になりやすいなど、口腔トラブルが起こりやすい治療です。口腔管理と口腔ケアが重要で、治療を受ける方を中心に医療者がチームを組んで取り組むことで、お口のトラブルの症状の軽減ができるとされています。

移植前処置開始前までにできること 

治療を受ける方は、医師と歯科医療者の連携のもと、前処置の2週間前までにむし歯や歯周炎の治療や歯のクリーニングを終えておくことが望ましいです。歯並びが悪い場合には、歯とお口の粘膜が強く接しないようにマウスピースを作成しておくことがあります。

移植前処置から移植した幹細胞が本来の機能を果たすまでの病棟ベッドサイドでできること

クリーンルームと呼ばれる個室で、お口の中を治療を受ける方と医療者で毎日観察します。歯科医師・歯科衛生士も往診します。感染対策として、口腔ケアに用いるハブラシ類(軟毛、ヘッドが小さいもの)やコップなどはふたつずつ用意し、使用後は必ず洗浄・乾燥を十分に行います。
セルフケアができているかどうか医療者が観察し、できない時には医療者・歯科医療者がプロフェッショナルケアとして歯みがきの介助をおこなってくれます。
口内炎(口腔粘膜炎)が確認されたら、痛みを軽くするための局所麻酔薬(含嗽・スプレー・ジェルなど)を使用します。また、荒れた粘膜を保護し口内炎の治りをよくする成分が配合された液でうがいや内服をします。歯科衛生士から指導を受けて、粘膜炎症時に使用できる粘膜保護材を使用することもあります。

生着後にできること

普段から定期的に歯科受診して、歯や粘膜のチェックを受けましょう。唾液分泌の低下と口腔乾燥が続き、むし歯になりやすいので、フッ化物配合の歯磨剤を用いて歯みがきを励行し、口腔の保湿を心がけましょう。フッ化物配合の歯磨剤は基本的に医師の指示がなくても使用可能ですが、不安がある場合は医師に使用しても良いか確認しましょう。

お口のケア(保湿・低刺激)に、バトラーお口のケアシリーズ
 

プロフェッショナルの視点から開発され、弱ったお口の中にやさしい低刺激タイプや、乾いたお口を保湿するタイプなど、お口のケアに適した商品ラインアップを取り揃えました。

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