乳歯は赤ちゃんがママのおなかの中にいる妊娠7週頃に発生します。妊娠4~5ヶ月頃には石灰化といって、歯が硬くなっていきます。その後1~2年くらいかけて乳歯が完成します。いくつかの永久歯も妊娠4ヶ月頃に作られ始め、永久歯は長い年月をかけて完成していきます。
生後6~9ヶ月頃になると下の前歯(乳切歯)が生え始め、2歳半~3歳頃にかけてゆっくりと生え揃っていきます。3歳過ぎには乳歯列での噛みあわせが完成します(※)。
生後19~31ヶ月(1歳7ヶ月~2歳7ヶ月)は"感染の窓"とよばれ、この時期に子どものお口にむし歯菌が感染すると、特にむし歯になりやすいといわれています。
"感染の窓"を乗り越えるとむし歯になりにくいという統計もあり、この時期にママをはじめ家族のお口のむし歯菌をいかに減らすかが赤ちゃんのむし歯予防にとって重要なことがわかります。
歯の表面に白い斑点がある、歯の溝が黄色っぽく変色しているなどの状態がみられたら、初期むし歯かもしれません。 初期むし歯は、歯の表面のエナメル質が少し溶け出した、穴のあく一歩手前の状態。規則正しい食生活と丁寧な歯みがきにより、それ以上進まないこともあります。しかし、あくまでも進行を最小限にとどめることができるというだけ。放っておけば進行するので、早めに歯科医院へ行きましょう。
歯科医院でできるむし歯予防対策に、フッ素塗布とシーラントがあります
"フッ素"は歯の質を強化し、むし歯の原因となる酸に対する抵抗力を高めるのに効果的。
生えて間もない時期の歯に塗布することで予防効果が高まります。ただし、“フッ素”を塗布したからといってむし歯にならないわけではありません。あくまでも“フッ素”はむし歯になりにくくする作用があるだけです。毎日の歯みがきはきちんとおこないましょう。
シーラントは奥歯の溝を薄いプラスチックでふさぐむし歯予防法です。
乳臼歯の噛みあわせの溝が深い場合、ハブラシの毛先が届きません。この奥歯の溝の部分をシーラントでふさぐことで、むし歯を予防することができます。奥歯が生えたら歯科医院で相談してみるのもよいでしょう。
赤ちゃんの歯ができる過程や生える順番、むし歯になりやすい時期、むし歯の予防法などを知っておくと、妊娠中のプレママもママも安心して赤ちゃんのお世話ができますね。
※ 歯の生える時期や順序は個人差がとても大きく、生後4ヶ月くらいで生えてくる子もいるのに対し、1歳頃まで生えない子もいます。