「自分は太っていないから糖尿病にならないと思っていたのに…」「あの人はやせているのに糖尿病?」そんな風に思ったことはありませんか。確かにいわゆるメタボになり、内臓脂肪が増えてしまうと、糖尿病のリスクは高まりますが、糖尿病でもやせている人がいるのは不思議なことではないのです。特に日本人には、そのような「やせ型糖尿病」の人が多いと言われています。
その理由は、はるか昔、太古の生活にあります。日本人は農耕民族、欧米人は狩猟民族という歴史を持つため、身体が糖を取り込む力も違っているのです。日本人にはたくさんの糖を取り込めない人がいて、太ってしまう前に十分なインスリンが分泌されなくなり、糖尿病を発症してしまうのです。食べても太れない人は、特に、もともとインスリンの分泌が悪いと言われます。逆に、欧米人はインスリンの分泌量が多いため、たくさんの糖を取り込んで太ってしまいますが、糖尿病になりにくいと言われています。
近年の日本の食文化は欧米化し、高カロリー、高コレステロールな食事になってきています。もともとインスリン分泌量の低い日本人が欧米化した食生活を続けると、糖尿病になりやすくなるのです。
「糖尿病=太っている」ということではないため、糖尿病予防や改善の取り組みも、ただ単にやせればいいわけではありません。欧米化した食事内容、早食い、食べ方などを見直し、バランスのとれた生活にしていくことが予防や改善につながります。