*本投稿は、あくまで、みなさんの日常生活の知恵として参考にしていただければ幸いです。
治療などでお悩みの方は、歯科医にご相談して頂きますようお願いします。
治療などについて、ご質問がされた際、回答いたしかねますので、ご了承くださいませ。
以前、「永久歯が生えてこない」というニュースを見ました。
先天性欠如歯の場合(後ほど説明します。)について、近年、約10人に1人のお子さんに見られるということでした。
今回は、永久歯が生えてこない原因について、色々ご紹介したいと思います。
①:乳歯と永久歯
人間の歯には乳歯と永久歯の2種類があります。
最初に生える歯を乳歯、乳歯のあとに生えてくる大人の歯を永久歯といいます。
通常、6歳頃に生え始め唾液などにさらされながら成熟し、16歳頃までには全ての永久歯が完成します。
②:永久歯が生えてこない原因
「先天的に生えてこない永久歯がない=先天性欠如歯」
「先天的に一部の歯が生えてきていない状態=部分性無歯症」
「なんらかの原因や影響で顎骨や歯肉に埋まり永久歯が出てこない=埋伏歯(まいふくし)」
の2つのケースがあると考えられています。
埋伏歯は、先天性欠如歯や部分性無歯症とは異なり、歯は形成されています。
③:先天性欠如歯の原因
歯の芽である「歯胚(しはい)」が形成されないことが、先天性欠如歯の原因と言われています。
歯胚は、通常、妊娠中と形成されます。そもそも歯胚が形成されないと、歯は生えることができません。
薬の副作用、遺伝、栄養不足、現代人の食生活の変化、内分泌障害などが歯胚を形成されない原因であると考えられていますが、はっきりとしたことは分かっていません。
原因遺伝子も論文で報告されています。EDA、MSX1、WNT10A、RUNX2など
1歳児検診、3歳児検診、小中学校の歯科検診の際に、気づかれるケースが多いらしいです。
*歯胚=エナメル器、歯乳頭(=しにゅうとう)、歯小嚢(=ししょうのう)のことをあわせたものです。
④:埋伏歯の原因
・歯のサイズが大きかったり、あごが小さかったりすると生えるスペースがない
・歯が形成された箇所が悪い
・アンキローシス(骨性癒着)がある
などが考えられています。
*アンキローシス:骨と歯が直接癒着して結合している状態のこと
⑤:乳歯の維持
永久歯がない先天性欠如歯の場合、乳歯をあえてそのままにして使い続けるという方法があります。
ただし、乳歯は永久歯に比べると歯質が弱く虫歯になりやすい傾向があります。
大人になってからも使い続けるためにはかなり念入りにオーラルケアを行う必要があります。
歯根は徐々に吸収されるため、長くても40歳頃には乳歯が使用できなくなるらしいです。
個人差によって変化すると思いますが、60歳超えて乳歯のままの方がおられると聞いたことがあります。
→その方は1か所だけが乳歯で、となりの永久歯が押してくると聞いたことがあります。
⑥:まとめ
永久歯が生えてこない理由は徐々に分かっていますが、まだ研究でも分かっていないことが多いです。
できることとしては、小さい頃から、虫歯がなくても定期的に歯科医に行き、歯や顎が年齢相応に成長しているかチェックしてもらうことが重要ではないでしょうか。
以上です。
永久歯についていかがでしょうか。
中々、複雑な問題なので、難しいですね。
それでは、また次回の投稿でお会いしましょう。
2023/09/22