【Q】 妊娠中にキシリトールが入ったガムを噛むと、赤ちゃんのむし歯を予防できると聞きました。本当ですか?
【A】そのような報告もありますが、今のところ、妊娠中にキシリトールを摂取すると赤ちゃんのむし歯を防げるという確かな根拠は示されていません。まずはお母さんの歯みがきと歯科受診でお口の中の状態を整え、甘いものが食べたくなったときにはキシリトール(もしくはノンシュガー)が入った食品を選ぶとよいでしょう。
ガムやタブレットの成分として印象が強いキシリトール。糖アルコールという甘味炭水化物の仲間で、多くの果実や野菜に含まれているほか、意外なことに私たち人間の肝臓でも1日に約15gのキシリトールが作られています。
むし歯菌は口の中の糖質をエサとして酸を作り出しますが、キシリトールを材料にすることはできず、増殖できません。そこで、日本では平成9年(1997年)4月に、むし歯にならない甘味料としてキシリトールが食品添加物に認可され、さまざまな食品に使われるようになりました。その多くは、白樺や樫などの木から抽出されています。
キシリトールには、プラーク(歯垢)の中の細菌を抑える働きがあるので、「妊娠中にキシリトールガムを噛めば、生まれてくる赤ちゃんのむし歯予防になる」と期待してしまうかもしれません。
今のところ、妊娠中にキシリトールを摂取すると赤ちゃんのむし歯を防げるという確かな根拠は示されていません。ですが、お母さんの口内にむし歯菌が多いと、子どもがむし歯になるリスクが高いことがわかっています。まずは、お母さんの歯みがきと歯科受診でお口の中の状態を整え、甘いものが食べたくなったときにはキシリトール(もしくはノンシュガー)が入った食品を選ぶとよいでしょう。
ただし、キシリトールを多量に摂取すると体質や体調によって下痢や腹部の不快感を起こすことがあるので、気をつけましょう。
妊娠すると、女性ホルモンや食生活の変化で、お口の中の環境が悪化しがち。歯をみがくのがツラいときは、デンタルリンスを使ってしっかりと口をすすぐ、何も食べていないときでもうがいをするなど、お口の中を清潔に保つよう心がけてください。
手軽に口の中を清浄化したり、口臭やネバつきをケアしたりするタブレットの活用もおすすめです。