コラム
2019/11/30

むし歯を防げる?使い方は?フッ素の基礎知識

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フッ素のはたらき

フッ素には、酸によってカルシウムが溶け出した歯(初期むし歯)にカルシウムを戻すはたらき(再石灰化)があります。つまり、再石灰化を助けて初期むし歯を治すだけでなく、健康で丈夫な歯にしてくれるというわけです。

また、フッ素にはむし歯菌が作りだす酸の量を抑えるはたらきもあり、酸が歯を溶かすのを防ぐことで、むし歯を予防します。

歯医者さんでのフッ素塗布をはじめる時期は?

フッ素には、歯の成熟を助けるはたらきもあり、生え始めの未成熟な赤ちゃんの歯にも有効です。歯科医院の塗布で使うフッ素は医薬品(フッ化ナトリウム製剤)で、高濃度のフッ素が配合されており、効果的なむし歯予防ができます。

乳歯が生え揃ってくる1歳頃から半年に1度くらいの割合で歯科医院の定期検診を受け、先生に相談しながらフッ素塗布も受けるのがよいでしょう。

フッ素を使ったホームケアのコツ

海外には、むし歯予防のために水道水にフッ化物を添加している国もあります。ですが、日本では取り入れられていません。そこで、日常のお手入れでは、歯が生え始めた頃にはフッ素入りのジェルを、ブクブクうがいができるようになった頃を目安にフッ素入りのジェルやハミガキの使用をおすすめします。最初は子ども向けの、薄味で低刺激の歯磨剤を選ぶとよいでしょう。フルーツの香味などで歯みがきを楽しく感じ、スムーズに習慣化ができるかもしれません。

最近のハミガキのほとんどにフッ素が配合されていますが、購入時にはパッケージに「モノフルオロリン酸ナトリウム」「フッ化ナトリウム」という記載があるかを確認しましょう。高濃度フッ素配合と書かれたハミガキもありますが、6歳未満のお子さんへの使用は控えてください。

フッ素のはたらきを十分に生かすためには、ハミガキは年齢に応じた適量を使用し、すすぎは軽めにすませるのがポイント。水だけでみがいた後、仕上げみがきの時にハミガキを塗布してあげましょう。歯医者さんでハミガキを購入した場合は、使用方法をきちんと確認してください。

毎食後の歯みがきの習慣を忘れずに

フッ素にはむし歯を予防する効果があり、丈夫な歯を作ります。ただし、フッ素を使っているからといって、むし歯にならないわけではなく、食べたり飲んだりした後の歯みがきを怠ると、むし歯になってしまう可能性は十分にあります。食後に歯をみがく習慣は必ず続けてください。


 
監修/髙島由紀子(たかしま ゆきこ)
歯科医師、歯学博士、日本小児歯科学会専門医
1982年大阪府生まれ。2007年広島大学歯学部卒業。2011年に大阪大学大学院歯学研究科を卒業後、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科にて助教、講師を勤めた後、2019年より一般財団法人サンスター財団附属千里歯科診療所にて勤務。
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