コラム
2020/05/08

花のある暮らしでおうち時間に彩りを。飾り方と長持ちの秘訣を教えます

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お花はその美しさや生命力から、心を癒し、明るくする効果があります。日々の生活にお花を取り入れてみてはいかがですか?お花の選び方から、長持ちの秘訣まで、フラワーセラピーアカデミーBLUE BELL代表の内田順子さんにお話を伺いました。

プロフィール

 
内田順子(うちだ じゅんこ)
BLUE BELL代表・JMFA代表・フラワーセラピスト・フラワーデザイナー。心理学、アートセラピー、色彩心理学などさまざまな角度から花と心理学を研究。欧米で認知され、医療分野でも活用されている「フラワーセラピー」を学び、フラワーセラピストとして活動。平成8年「フラワーサロン BLUE BELL」を表参道に開業し、フラワーセラピストの育成にも力を注ぐ。

“もっと気軽に”お花を生活に取り入れる

フラワーアレンジメントを習ったり、大きな花束を買ってきたりしなくても、お花を毎日の生活で楽しむことはできます。内田さんおすすめのはじめ方は「1本の切り花」から。

一番『飾りたい』と思った切り花を1本だけ買ってみてください。日持ちが気になるなら、店員の方に聞いてみるといいですね。日持ちを選ぶか、飾りたい気持ちを優先するか、それも気分で決めればいいと思います」

1本だけなら数百円から購入できます。また、店頭に並んでいるブーケはかわいいものの、すぐには売れなかったお花を使っている場合が多いそう。鮮度を求めるなら、種類ごとに並んでいるお花から選んだ方がいいのです。

また、飾る容器は、仰々しいものでなくて大丈夫。


花瓶がなくてもティーカップや小さなグラス、小瓶などに飾って。

「『かわいい花瓶がないから飾れない』とおっしゃる方もいますが、難しく考えなくていいんです。お家で使っていないコップやティーカップ、小瓶などでいい。ブーケの場合なら、バランスよくゴムで留めてあるので、外さずにそのまま入れてください。お水も替えやすいですしね。ブーケのように留めていない場合や長さを整えた場合には、麻ひもなどで縛ると見た目もよくなります」


数本を飾る時、麻ひもで縛ればお花がバラバラになりません。

せっかく買ったなら、できるだけ日持ちさせたい

日持ちを良くするためには、次のようなポイントを押さえておきましょう。

  1. 毎日水を替える
  2. 水に浸かる葉は取る
  3. やわらかい茎のものは水を少なく

毎日お水を取り替えると長持ちします。水道水で茎のぬめりを取ってあげることも大事。水に浸しながら茎の先端を切る“水切り”もこまめにした方がいいですね。最初は長めに切っておいて、毎日少しずつ短くしていくといいでしょう。最後に首のところだけになったら、スープ皿に浮かべてもかわいいですよ」

背の高いお花には、細長いグラス、背が低くなってきたら小さなものへと変えていくのも楽しいですね。

「生ける時にもコツがあります。葉が水に浸かると傷みやすいので、水に浸かる部分はちょっとかわいそうだけど取ってしまいます。また、バラのように硬い茎は水が多めでもいいけれど、ガーベラやチューリップのように柔らかい茎は腐りやすいので、水に浸かる面積を少なくしましょう


茎が硬いものなら、水が多めでも大丈夫。

お花を飾ることに慣れていないと「捨てどき」も難しいもの。

「風水などでは、生花は『陽』のエネルギーが高いといわれています。その中でも、イキイキしている状態のものを飾った方がいいのです。満開を過ぎるとやはりくたっとしてしまうので、思いきって新しいものを買ってきた方がいいですね。もしドライフラワーにしたいなら、満開の少し前に風通しの良いところに干しておいてください。ドライフラワーにできないお花もあるので、買う時にお店で聞いてみてください」

色による効果で癒しやリフレッシュにも

生花は香りや見た目だけで癒されますが、選ぶものによっても効果が違ってくるのだそう。

選んだ時の心理状態によって、選ぶお花が違ってきますよね。『いつもは赤いバラが好きなのに、今日は淡い色に惹かれる』なんてこともあります」

基本的には気分で選んでいいそうですが、さまざまな効果のうちいくつかを教えていただきました。

「疲れている時、ストレスがたまっている時には、ビビッドな色より薄いピンクや薄紫などパステルカラーが癒しになります。また、リフレッシュしたい時には白やグリーンがおすすめ。ストレスケアには大きなお花より、小花が集まったものの方がいいですね。元気になりたい時や人間関係を発展させたい時は、黄色やオレンジ系を。黄色やオレンジ系は、食欲増進効果もあるので、食欲が落ちている時にもいいんですよ」


内田さんは、「フラワーセラピー」や「色」に関する本も出しています。

お花の効果を感じるには、いつも見える場所に置くこと。家族が集まるリビングのテーブルや、いつも仕事をする机の上などがおすすめ。

日々お花に触れている内田さんも、お花の恩恵をたくさんもらっているのだそう。

「お花のおかげなのか、ほとんど病気にかかりません。お花に携わっている方って、70歳を超えても現役バリバリの方が多い。疲れている時でも、お花に触って眺めることで癒されていくし、美しいものを見て感情も豊かになるのでしょうね。それから、生花市場は朝早く、4時半起きのこともあるので、睡眠時間は確保するように気を付けています」

ほんの一輪でも、生活する場所にお花があるとパッと華やいだ印象になります。また、日々変化する様子がとても新鮮。季節を感じるアイテムでもあります。1回数百円からはじめられる心の癒し、ぜひ取り入れてみたいですね。

取材・記事 栃尾江美
撮影 石原敦志

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