コラム
2020/07/01

家庭を一番リラックスできる場所に。パートナーシップを育もう

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長い時間を一緒にすごす家族。特に、パートナーとはこれまでもこれからも、長い期間を共に生きていくことになります。すれ違いやイライラがあっても、お互いを認めて一緒にいる時間が快適になれば、人生がより豊かになるはず。夫婦問題やパートナーシップに詳しいカウンセラーの竹内えつこさんに、仲のいい夫婦の共通点や、パートナーシップを育むポイントを、今回はカウンセラーの立場から教えていただきました。

取材先プロフィール

 
竹内えつこ(たけうち えつこ)
バーテンダー、アロマセラピスト、アロマ講師、カウンセラーという、異例の職歴を持つ。根本裕幸カウンセラー「お弟子さん制度」第1期卒業。得意ジャンルは恋愛・夫婦問題・パートナーシップ・人間関係・罪悪感と生きづらさ。鋭い分析力と、経験をもとにした的確なアドバイスには定評がある。東京 池袋のカウンセリングルーム Studio Sou

仲のいいパートナー同士は、お互いを尊重している

どんなパートナー同士にも多少のトラブルはつきもの。ただ、そんな中でもパートナーシップがうまく取れている方々と、そうでない方々がいるようです。カウンセラーの竹内えつこさんは、仲のいいパートナー同士には、次のような共通点があるといいます。

  • お互いを尊重し、自分の価値観を相手に押し付けない
  • ひとりではなく「ふたり」という単位で考えながら、「自分は自分」という考え方も持っている
  • コミュニケーションが取れている

自分が望む結婚や生活スタイルを当たり前と思い、相手にもそれを望むと、押し付けになってしまうことがあります。最初はあわせてくれていても、徐々にほころびが生まれることに…。自分の意見を「正しい」「あたりまえ」と思わず、「相手には相手の意見がある」と理解しましょう。時には相手の意見を尊重することも大切です。

また、映画を一緒に観るなど、楽しい共通体験があるといいでしょう。ただし、それを強要するのではなく、相手が好まないなら「自分は自分」でよいのです。また、「何もいわなくても相手に伝わっているだろう」と考えるのではなく、「ありがとう」「ごめんなさい」といった言葉でのコミュニケーションも大切です。


ふたりで映画などを観るのもおすすめ。

今からでもできるパートナーシップ改善のヒント

頭ではわかっていても、日常生活で続けるのはそれほど簡単ではありません。小さなことからはじめられるステップを、いくつか教えていただきました。

●性格の違いを知る
「ごめんなさい」「ありがとう」をよく伝える人、寡黙でなかなか言葉には出さない人など、人それぞれに考え方や性格の違いはあります。すべてを自分の基準で考えるのではなく、「相手はどんな風に感情や愛情を表現する人なのだろう?」という視点で考えてみることも大切です。

●相手に興味を持つ(話すより聞く人になる)
相手のすることに興味を持てば、会話やコミュニケーションが生まれます。具体的には「質問する」のがおすすめ。「今日はどうだった?」などいろいろ質問してみて、たくさん話してくれることがあればそれを深く掘り下げていきましょう。

●感謝する
相手に感謝をして、その気持ちを伝えるようにしましょう。「感謝することなんてない」という人はめったにいません。例えば、買い物の時に「時間を割いて一緒に来てくれる」「車を運転してくれる」「荷物を持ってくれる」など、もう当たり前になっていることも、改めて感謝の気持ちを持ってみましょう。

●共通の趣味や行動を
簡単なものから共通の行動をしてみましょう。映画やドラマを観るなら、比較的手軽です。できれば、鑑賞後にコメントをいい合うのもおすすめ。子どもがいて難しいなら、大人も一緒に楽しめるファミリー向けのものを選ぶとよいかもしれません。

どうしても譲れない、理解できないことはどうすればいい?

これまで紹介したことを行動に移そうと心掛けても難しいという人もいるかもしれません。例えば、パートナーが家事や育児を何もしてくれず、毎日イライラ…。感謝したくても不満しか浮かんでこない、といった場合、竹内さんは次のようにアドバイスしてくれました。

「相手に対して『なんとかしてよ』ではなく、『私は』を主語にしていうだけでも違います。『私は、こうしてほしいと思っている』『私は、こうしてくれると嬉しい』といい換えると、いわれた方は気持ちを受け止めやすくなります。また、我慢しすぎずに小出しにすることも必要です」


相手に対して「なんとかしてよ!」と思ったら「私は、○○してほしいと思っている」といい換えてみて。

その際に、怒りに任せていうのではなく、一度落ち着いて、自分の本当の気持ちを考えることが大事なのだそう。

「怒りの感情は、心理学的には二次感情といわれ、本当の感情にフタをするもの。その下には3つの感情『わかってほしい』『助けてほしい』『愛してほしい』が隠れているといわれています。怒りを相手にぶつけるのではなく、本当の想いを見つけ、解消する観点で考えましょう。そのうえで、『私は』を主語にして伝えてみてはいかがでしょうか」

どうしてもいろいろな感情がたまってしまったら「書く」こともおすすめだとか。汚い言葉でもかまわないので、ノートなどに思いきり書きなぐります。いったん書き出してみると、冷静に見られたり、自分の感情がわかったりします。

なかなか一筋縄ではいかないこともありますが、長い時間一緒にいるパートナーなのですから、お互いに尊重し合い、支え合える関係を育みたいですね。

取材・記事 栃尾江美

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