ひな祭りの定番メニューといえば、ちらし寿司。色鮮やかな具やさっぱりした味が食欲をそそりますが、実は糖質が多いメニューなのです。そこで低糖質のちらし寿司を作るコツを専門家に教えてもらいました。
監修者プロフィール
一般的なすし飯1合あたりの糖質は約140gで、1人前換算で約100g。ちらし寿司はこの上に砂糖を入れて煮た干し椎茸や、甘い錦糸卵を乗せることが多いので、実は糖質が多く、1日あたりの糖質摂取量目安の270g(運動量少なめの成人女性の場合)をすぐにオーバーしてしまいます。
「酢飯に白米と砂糖を使うと、糖質だけでなく、血糖値が上がる速さを表すGI値も高くなってしまいます」と安田さん。そこで今回は、砂糖を入れず十五穀米を使って、美味しく満足感のあるちらし寿司を教えていただきました。ポイントは以下の3つです。
1.白米の代わりに十五穀米を使う
「糖質を気にする人に、白米よりも十五穀米がおすすめな理由はふたつあります。まず、GI値が低いこと。白米と同じ糖質であっても、食物繊維が多くGI値が低い五穀米は太りにくいといえます。さらに十五穀米は白米よりも多く噛まなければいけないため、少量でも満腹感が得やすいのもメリットです。酢飯にすると普通に炊いただけの時よりはやわらかくなるので、十五穀米が苦手な人でも美味しく食べられるはずです」
2.砂糖を入れるすし酢でなくリンゴ酢を使う
「一般的にすし飯を作る時は、お酢、砂糖、塩をあわせたすし酢を使います。ご飯2合の場合、砂糖は大さじ2程度入れるので、ダイエット中の人は特に気になりますね。今回の酢飯はリンゴ酢と昆布だし、塩のみで味つけしました。リンゴ酢の酢酸が血糖値の上昇を抑えてくれるうえ、昆布だしの旨味のおかげで砂糖を入れなくても満足感が得られます」
3.具はたっぷり、ご飯は少なめにする
「今回のちらし寿司に使ったご飯は1人前茶碗一杯分。その上に野菜や魚の刺身をたっぷり乗せました。最初に野菜や魚から食べることで、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。添えたわさび醤油ドレッシングをかけると和風カルパッチョ風にも楽しめるのが魅力。酢飯に具を乗せるだけなので、忙しい時でもあっという間にできます」
▼材料(4人分)
白米 2合
十五穀米 大さじ1
水 400CC
リンゴ酢 大さじ2
昆布だし(粉末)小さじ1
塩 小さじ2
卵 2個
片栗粉 小さじ1
水 小さじ1
グリーンリーフ、カイワレ、紫蘇 適量
お好みの刺身 適量
A(わさび醤油ドレッシング)
醤油 大さじ1
米油か太白胡麻油 大さじ1
わさび 適量
▼作り方
①白米と十五穀米を400CCの水に1時間浸水させてから炊飯する。
②炊き上がったご飯をバットかボウルに移し、リンゴ酢と昆布だしと塩を入れ、しゃもじで切るように混ぜる。うちわで人肌程度に冷ます。
③溶いた卵に、小さじ1の水で溶いた片栗粉を入れ、熱したフライパンに流す。冷めたら細切りにして錦糸卵を作る。
④お皿にご飯を盛り、刺身を乗せる。さらに、洗って水気を切った錦糸卵、グリーンリーフ、カイワレ、紫蘇を添える。
⑤Aの材料を混ぜ、かけながらいただく。
「ひな祭りには、子どもが喜んでくれるよう、見た目をかわいくアレンジ。ご飯は、ケーキのようにセルクルで型抜きしても良いと思います」
▼材料(2人分)
上記の酢飯
お好みのお刺身 適量
錦糸卵 適量
きゅうり 1/3本
▼作り方
①お皿に酢飯を乗せ、ラップで円形に形づくり錦糸卵を乗せ、さらに酢飯を乗せてケーキ型にする。
②1に錦糸卵を乗せ、さらに食べやすい大きさに切った刺身を乗せる。
③スライサーで縦に薄切りにしたきゅうりを端からくるくると巻き、周りに飾る。
簡単アレンジで、子どもも喜ぶケーキ風に。
糖質量やGI値が低いだけでなく、栄養価も高くて見た目も鮮やかなちらし寿司。酢飯さえ作れば、具を買ってきて乗せるだけでも大丈夫なので、手軽に作れます。おもてなしメニューとしてはもちろん、定番にも加えてみては?
取材・記事 古屋美枝
撮影 石原敦志