昨今、ヨーグルトやサプリメントなど、関連商品を目にすることが増えてきた話題の成分ラクトフェリン。ラクトフェリンとは、人間や牛の乳、涙、唾液や血液などに存在する、感染防御機能を持ったたんぱく質のこと。人間の母乳、中でも初乳にもっとも多く含まれていて、産まれたばかりの赤ちゃんをウイルスや菌から守る重要な役割を担っています。
こう聞くと、ラクトフェリンは赤ちゃんのための成分のようですが、赤ちゃんだけではなく、大人にとっても重要な成分です。涙や唾液など、粘膜を保護する分泌液中に含まれていることから、外部からの微生物の進入を防ぐ役割を担っていると考えられています。つまり、ラクトフェリンは、赤ちゃんから大人まで全世代を守る、強力な「生体防御成分」なのです。
では、ラクトフェリンは具体的にはどんな働きをするのでしょうか?
鉄と結合しやすいラクトフェリンは、腸内の悪玉菌から鉄を奪いとり、その生育を抑制する働きがあります。一方、整腸作用で知られる善玉菌のビフィズス菌を増やす働きもあります。この2つの働きで腸内細菌のバランスを整えるのです。
免疫細胞の7割が腸に集まることから、腸は人体最大の免疫器官とも呼ばれます。その腸内環境を改善することで、お腹の調子も整えてくれます。
ラクトフェリンは熱に弱いため、市販の生乳にはごく少量しか含まれていません。そのため、より効率良く上手に摂取するには、生乳から作られたサプリメントを利用することをおすすめします。
ただし、乳由来のたんぱく質ですので、乳製品にアレルギーのある方は注意してくださいね。