歯周病は痛みなどの自覚症状が出にくく、歯科医院に行かないうちに手遅れになってしまうことも少なくありません。しかし、初期の段階でも気付けるポイントは存在します。これから歯周病の進行ステップと症状を、順を追って紹介していきます。自分は大丈夫かチェックしながら見ていきましょう。
健康な歯周組織
健康な歯ぐきはピンク色で弾力があります。歯と歯の間の歯ぐき(歯間乳頭といいます)は引き締まった三角形をしています。
歯と歯ぐきの境目の歯周ポケットの深さは1~2mm程度で、歯をみがいても血がでたりはしません。
歯肉炎
歯周病のはじまりです。歯肉炎はプラーク(歯垢)中の細菌により、歯ぐきが炎症を起こし赤く腫れた状態。歯ぐきが腫れて盛り上がります。ここに歯周病菌が棲み始めますが、大きな歯周組織の破壊はまだ始まっていません。
この段階では歯みがきなどの刺激で出血する程度のことはあっても、痛みや歯の揺れなどの症状はないため、ついつい放ってしまいがちですが、歯肉炎なら簡単な治療で元の健康な状態に戻すことができるので、歯科医院を受診しましょう。
歯周炎
歯肉炎を放っておくと「歯周炎」に進行することがあります。歯肉炎は炎症が歯ぐきのみだったのに対して、歯周炎は炎症が歯ぐきだけに留まらず、歯を支えている骨(歯槽骨)にまで及び、歯周組織の破壊が進みます。これによって歯ぐきのラインが後退して、歯が長くなったように感じることもあります。
歯周炎になると歯ぐきの腫れや出血のほか、冷たいものがしみたり、膿が出てきたり、歯がグラグラ揺れてきたり、口臭が強くなったり…といった自覚症状が現れることがあります。
今挙げた自覚症状がひとつでも当てはまる人は、すぐに歯科医院に行きましょう。歯周病は放っておいて治る病気ではありません。歯周病が進めば、歯周ポケットが深くなってポケットの中はますます歯周病菌が棲みやすい状態になっていき、さらに歯周病が進行、歯を支えることができなくなってついには歯が抜けてしまいます。進行すれば進行するほど治療は困難になり、治療期間や治療費も増えてしまいます。歯周炎で破壊された歯槽骨や歯ぐきを元通りにすることはできませんが、炎症を抑えて、進行を止めたり緩やかにすることができます。
歯が抜ける
歯周炎がさらに進行し、手遅れになると、歯を支えることができなくなって歯が抜けてしまいます。数本まとめて抜け落ちてしまうことさえあります。