テレビやネットなどでよく耳にする「歯周病」は、歯肉炎(歯ぐきが炎症を起こし、赤く腫れた状態)と歯周炎(歯肉炎が進行し、歯を支える骨にまで炎症が広がった状態)の総称です。
歯周病は、はっきりした自覚症状がないまま静かに進行し、いつの間にか歯を失うほどに悪化してしまうこともある怖い病気。30代になると症状が見られる方も増えてきます。ご自身で歯ぐきの状態などを日頃からチェックし、予防・対策をしましょう。
あなたは歯周病にかかっていませんか?セルフチェックしてみましょう。
歯ぐきが赤くなっている
歯ぐきが腫れている
歯ぐきを押すと血が出る
歯ぐきが下がっている
歯がしみる
口臭が気になる
歯が動く
噛むと痛い
膿が出る
この中に当てはまるものはありましたか? 歯周病は進行すれば進行するほど治療が困難になり、治療期間や治療費も増えてしまいます。ひとつでも当てはまるものがあった人は、すぐに歯科医院を受診しましょう。早めの発見と治療がとても重要です。
歯科医院では、どんな方法で歯周病の有無をチェックするのでしょうか?
■歯周ポケットの深さ
プローブという目盛りのついた器具を歯周ポケットの中に挿入し、歯周ポケットの深さを測ります。この時、同時に、歯周ポケットの中の歯石の有無なども確認します。健康な歯ぐきのポケットの深さは1~3mmですので、4mm以上の深さだと歯周病だと考えられます。
■歯ぐきからの出血の有無
プローブを歯周ポケットに軽く挿入した際の出血の有無を確認します。出血があれば歯ぐきに炎症が起きていると考えられます。
■歯の揺れ具合
歯周病が進行して歯周組織が破壊されると歯をしっかりと支えられなくなるので、歯がグラグラしてきます。この揺れ具合を、ピンセットを使って歯を動かして確認します。
■お口の清掃状態(プラークコントロールの状態)
プラーク(歯垢)の付着状態を調べ、毎日の歯みがきでプラークが取り除けていない箇所を見つけます。
歯科医院では、このような方法で歯周病にかかっているか 、かかっているとしたら、どこがどの程度かかっているのかをチェックしていきます。上記のほかに、噛みあわせ状態の検査やレントゲン写真によって歯槽骨の破壊レベルの検査などを行うこともあります。
歯周病は症状のないまま進行するので、自分自身では気づかないことも多い病気。その予防において、最も大切なのはお口の中の清掃です。歯周病の原因となる歯周病菌が潜むプラーク(歯垢)を、ハブラシや歯間ブラシ、フロスなどを使ってしっかりと除去することが大切です。
歯みがきの際には歯の見た目だけでなく、歯ぐきの腫れや出血などを毎日チェックしましょう。
定期的なセルフチェックをして、少しでも気になることがあったら、迷わず歯医者さんに相談してみてください。
2019年6月28日公開、2021年9月30日更新