口臭にはお口由来のものと全身の病気由来のものがありますが、そのほとんどはお口から発しているといわれています。
自信をもって会話を楽しむためにも、口臭のことをきちんと理解して、さわやかな息を心がけたいものです。
お口由来の口臭には、ニンニクやニラを食べた後やタバコを吸った後に一時的に出るものを除くと、“生理的口臭”と“お口の病気やトラブルが原因の口臭”に分けられます。
(1)生理的口臭
“生理的口臭”は健康な人にもある口臭です。朝起きた時や空腹時、緊張した時などに出やすくなります。
朝起きた時に口臭が起こりやすいのは、睡眠時に唾液の分泌量が低下し、唾液によるお口の中の洗浄作用が低下するためです。また、緊張した時には唾液の分泌量が減るため、個人差はありますが、口臭が起こりやすいお口の環境になるといえます。
口臭が気になったときはお口をすすぐだけでも、一時的ににおいを和らげることができます。また、生理的口臭のある人はお口の中が不衛生なことも多いので、毎日の歯みがきを丁寧におこなうよう心がけることが大切です。
朝起きた時、また緊張した時に起こる口臭は病気ではなく、大なり小なり誰にでもあるものなので、深刻になり過ぎないようにしましょう。
(2)お口の病気やトラブルが原因の口臭
お口の病気やトラブルとしては、歯周病や舌についた舌苔(ぜったい)などが口臭の原因として挙げられます。お口由来の口臭は、細菌が食べカスなどを分解して、揮発性の硫黄化合物(VSC【Volatile Sulfur Compounds】)というガスを作り出すことで発生します。VSCには大きく分けて3つの種類があり、これらのにおいが単体、もしくは混ざり合ってお口から発せられることで口臭となります。
口臭が気になる方はまず最初に、舌の表面に白っぽいもの(喫煙習慣のある方は黄色味がかっていることもあります)があるかどうかをチェックしてみましょう。これが舌苔と呼ばれるもので、口臭の原因となります。舌苔を除去するには、舌用のブラシで軽く舌の上を2~3回こすることが有効です。ただし、舌の表面は傷つきやすいので、強くこすり過ぎないように気をつけましょう。
ほかには、お口の中が不衛生である場合や、お口の乾燥(ドライマウス)が口臭の原因になる場合があります。舌もきれいだし、お口の中も衛生的、乾燥していない、でも口臭が気になる、という方は、お口の中に何らかの病気があることが考えられます。その代表例が歯周病です。歯周病にかかると、歯と歯ぐきのすきまにできた歯周ポケットに細菌が住みつき、VSCガスを沢山作ります。こういったお口の病気が原因で口臭が起こっている場合は、病気そのものの治療が必要となりますので、歯科医院を受診するようにしましょう。
ほかにも、義歯(入れ歯)の方は義歯自体が汚れてしまい、その汚れが原因で口臭につながっているケースもあります。