G・U・M WELLPLUS(ウェルプラス)のCM、ご覧になりましたか?俳優の阿部寛さんが出演しているCMは、サンスターが新しい「お口の健康」を提案したもの。今回その撮影現場にお邪魔して、見学させていただきました!大きくて美しい緻密なセットと、スタッフの方の連携プレー、阿部寛さんの演技など、とても刺激的なことばかり。普段は見られないCM撮影の舞台裏をレポートとしてお届けします。また、後日、撮影監督に気になったことをインタビューさせていただきました。
1月某日、都内近郊にあるスタジオで、CM撮影が行われていました。現場に到着すると、大きなスタジオに美しいセットが!
そこに、すらりとした外国人の役者さんたちがスタンバイしています。顕微鏡やビーカー、役者さんたちがまぶしいほどです。
セットは大きいだけでなく、カメラには映らないような細かいところまで作りこまれていて、驚きました。撮影の直前まで美術の担当者の方が細かい部分を直したり、配置を変えたりしているのです。
小道具ひとつとっても「CMで誤解を与えることにつながらないだろうか」と細かくチェック。リアリティを追求して実際に使える顕微鏡やビーカー、試験管などを用意しているんですよ!
CM撮影の内容を書いた「絵コンテ」を見ると、「こんなCMになるんだ」となんとなくイメージが湧いてきます。
メインの出演者である阿部寛さんがいらっしゃるまえに、代役の方で何度もカメラテスト。研究室のセットからゲートを通って手前のスペースに歩いてきます。かっこいいゲートがとても印象的。また、歩きながらセリフをいうのが難しそうです。
撮影された動画を見ると、カメラが固定されておらず、少し左右に動いて浮遊感があります。不思議に思いカメラマンさんを見てみると、体の周りにごつい機材を付けて、カメラをセットしています。すごく重そう!後ろ向きに歩いているので、セットから落ちないように、別の人が背中に合図を出していました。
すべての準備が整うと、いよいよ主役の阿部寛さん登場です!阿部さんがセリフをいうと、すごく説得力があって驚きました。ひとつのカットでも、セリフの言い方を変えて何度かリテイク。また、アップにしたり遠くから撮ったりと、さまざまなパターンで撮影していきます。
絵コンテに書かれたCMのパターンを、何カットも撮影していきます。その日の撮影は深夜にまで及んだそう。前日の準備も入れると、CM撮影には全部で3日間かかったのだとか。
後日、CM監督の小林佳弘さんにインタビュー。編集も佳境のところにお時間をいただきました!
「今回のCMで一番伝えたかったのは、オーラルケアからオーラルヘルスへ意識を変えてもらうこと。単なる新製品のCMとはレベルが違うので、難しさがありました」
ちょっと難しい内容を、ほかのCMに埋もれないように作らなくてはならないのです。
「そのため、近未来的な世界観になるようにしました。それも、SF映画のような遠い未来ではなく、今起きている最先端のイメージを持ってもらえるように『近い未来』を意識しています。また、奥の研究所と手前のフロアはゲートで区切って、空間の違いがわかりやすいようにしています」
また、撮影中に特徴的だった、カメラの浮遊感についてはどんな狙いがあったのでしょうか。
「内容がやや難しいので、映像にはやわらかさを持たせたかったんです。実際に自分が阿部寛さんに話しかけられているように、視線が動くイメージです」
なるほど!そんな意図があったんですね。ほかに、苦労した点などはあるのでしょうか?
「体の中の仕組みなど、説明するカットは苦労しました。ショッキングな事実を、気持ち悪くならないように伝えなくてはなりません。CMなので一瞬のカットなのですが、事実に基づいたデータを緻密に作りこんでいます」
撮影現場ではグリーンのパネルだった箇所が、グラフィックを映し出すスクリーンになるとのこと。現場だけではわからない制作のこだわりも、ぜひCM動画で確認したいところ。短いCMですが、たくさんの人と工夫と、こだわりが詰まっているのですね。
取材・記事 栃尾江美
撮影 石原敦志