声の仕事や飲食店ではたらく方など、人前で口を開き、見られる機会の多い方たちは、口もとの衛生をどう保っているのでしょうか。そこには、きっと私たちにも役立つヒントがあるはず。
そこで、口もとで魅せるプロの方々に、習慣、本番や仕事前でやっていること、そしてお口のキレイを守るために使うこれぞというアイテムを教えていただきました。
取材先プロフィール
普段から整えたい口内環境として、上田さんと田邉さんはまず「歯の白さ」をキープすることを挙げますが、特に田邉さんにはソムリエならではの悩みがあるといいます。
「1日で100種類のワインをテイスティングするような仕事があります。赤ワインの試飲が続くと、色素が付着して歯は真っ黒。こうなると歯みがきだけではなかなか色は取れません」(田邉さん)
また、上田さんは口内環境を整えることがプロとしての仕事の一部でもあるという意識を持っています。
「風邪、インフルエンザといった感染症予防を心がけています。声の仕事ですから影響が大きいんです。最近特にその意識が高まりました」(上田さん)
といっても、特別なことをしているわけではないといいます。
「まず朝起きてすぐ。それから家にいる時は毎食後、寝る前に歯みがき。そんなに長い時間はかけません。洗口液、歯間ブラシも併用しています。ハミガキは時折、ホワイトニング成分を含んだものを使っています。一度で口内環境と歯の白さ対策という一石二鳥狙いですね」(上田さん)
いざ本番前!そんな時はどんな対策をするのでしょうか。まず上田さんが一番気になるのは口臭。狭いスタジオやナレーションブース、ゲストとのステージでの会話におけるマナーという意味もありますが、実は口臭は口の乾きのバロメーター。口臭の原因となる口の乾きを癒すことは、滑らかに発声するために必要なことなのです。
「私の口の中の乾燥対策は、唾液の量を保つこと。本番前にあまり水分をとることはできないので、舌下腺という唾液のツボを押して分泌を促します。驚くほど出てくるんですよ。声と口臭、どちらにも効果があります」(上田さん)
唾液腺には舌下腺のほか、耳下腺、顎下腺がある。いずれもマッサージすることで唾液の分泌を促すことができる。
上田さんは口の乾き対策として、本番前の食事は過度な塩分を避けるなどのさまざまな工夫をしているといいます。
田邉さんは、ワインのテイスティングの数日前に歯科医院へ行きます。その理由はソムリエならでは。
「歯や歯ぐきでしみるところがないかの事前点検です。渋みが強いブドウ品種のワインのテイスティングが続くと、歯ぐきにも相当なダメージがあるんです。舌も痛くなる。そこで、事前に状態をチェックして、当日、これなら大丈夫という気持ちで迎えます」(田邉さん)
また、レストランでは、お客様との会話も大切な仕事。口の乾きからくる口臭のケアとして、水をよく飲むことも心がけています。
「レストランでは営業中、歯みがきをする時間はありません。そこで水をよく飲むのですが、この水にはこだわっています。水には舌をリセットする役割もあります」(田邉さん)
最後に「普段からこれが手放せない!」という愛用のケアアイテムを教えていただきました。上田さんのポイントは「忙しい現場」での「時短」。
「どこでもさっと一瞬でケアできるスプレータイプのケアアイテムをいつもバックに入れています。今は『ガム・お口/のど殺菌スプレー』を持ち歩いていますよ!これならすぐに、どこでも使えるので便利です。」(上田さん)
ガム・お口/のど 殺菌スプレー 内容量:15mL
希望小売価格:880円(税込968円)
田邉さんは「お気に入りのハブラシとハミガキ」。その組み合わせをいろいろ考えたり変えたりするのが好きなのだそうです。
「いろいろな組み合わせを試します。私にとってハブラシはグラス、ハミガキはワインのようなものですから」
プロの心がけを、口内環境を整えるヒントにしましょう。
取材・記事 岩瀬大二