社会に定着しつつある「新しい生活様式」ですが、その影響によるお口の機能の低下が指摘されています。気づかないまま放っておくと、お口だけでなくカラダの機能も低下させてしまうことに…。そこで、改善のために自宅でできる対策をご紹介しましょう。
まずはチェック。みなさんは最近、このようなことに思い当たりませんか?
硬いものが食べにくくなった
お茶や汁物を飲む時にむせることがある
口の乾きが気になる
チェックのついた方は「オーラルフレイル」の危険性があるので要注意です。
オーラルフレイルとは、歯や口のはたらきの「虚弱化」という意味。
「食べる、話す、笑う」という機会が減ると、歯や舌、頬などのお口の周りの筋肉のはたらきが弱っていきます。この状態を「オーラルフレイル」といいますが、そうなると噛めない、飲み込めないという状態になるだけでなく、身体機能も衰えていくリスクが高まってしまうのです。
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公的な機関も新しい生活様式によるお口の機能低下に危機感を感じ、対策に乗り出しています。例えば京都市では「お口の機能チェック表」を作成し、長く健康でいるためにお口の機能を見直してほしいと啓蒙しています。
ではどう対策すればいいのでしょうか? 簡単で効果が高いのが「パタカラ体操」です。
パタカラ体操のやりかた
・口を上下に大きく開いて「パ」
(食べ物を口からこぼさない唇のはたらき)
・舌をお口の中、上部に巻き付けるように「タ」
(食べ物を押しつぶす・飲み込む舌のはたらき)
・逆に舌をお口の中、下部に押し付けるように「カ」
(誤嚥せずに食べ物を食道へと送る筋肉のはたらきがあるかどうか)
連続して5秒間に何回発声できるかを調べますが、1秒間あたり6回(5秒間で30回)以上発声できれば健全です。
このパタカラ体操は、サンスター財団の「心身健康道場」でも取り入れられているもの。サンスターでは口や舌の動きのセルフチェックやトレーニングができる無料アプリ「毎日パタカラ」(iPhone/Android対応)も提供しています。
「毎日パタカラ」は、ゲーム感覚で楽しく「オーラルフレイル」対策ができるアプリ。
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オーラルフレイルは口の機能の衰えだけでなく、そこから「美味しく食べられない」「気力が衰える」「カラダそのものが弱っていく」という負のスパイラルになることが問題です。
そこで、普段の暮らしの中でも、少しでも口や舌を動かすことを意識してみてはいかがでしょうか。ひとりでもできることにはこんな方法があります。
声に出して感情をこめて本を読む(表情と口)
正しい発音で英語を口に出してみる(表情と舌)
テレビや映画で思いっきり笑ってみる(表情と口)
お口の動きを意識して生活していくことで、すこやかなお口とカラダを長く維持していきましょう。
取材・記事 岩瀬大二