コラム
2021/11/02

新事実!歯の本数や噛みあわせで、今と未来の〇〇費に差がつく!?

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【クイズ】節約できるのはどの費用?

突然ですが最初にクイズです!歯の本数が多く、噛みあわせ(咬合)が良い人ほど節約できる費用があります。それは以下のどれでしょう?答えは写真の下にあります。

(1)病気の治療やお薬に使う「医療費」

(2)食品購入や外食に使う「食費」

(3)家賃や住宅ローンなどの「住宅費」

正解は(1)の医療費です。「歯が健康なら歯科医にかからないから当たり前」と思われるかもしれませんが、実はこれ、歯科治療にかかる歯科医療費ではなく、全身の病気診療にかかる医科医療費のことなんです。

歯と医療費のビッグデータを活用して調査

高齢化が進み、医療費の増大が大きな課題になっている日本。医療費削減のためにも健康的な生活習慣作りが重視されている中、歯の本数が多いほど長生きする人が多く、糖尿病、心血管疾患、がんなどにかかる人が少ないという報告が増えています。

つまり、お口の健康維持がカラダ全体の健康維持につながり、全身の病気診療にかかる医科医療費削減につながっていると考えられるのです。ただしこういった調査の多くは高齢者を対象にしたもの。そこでサンスターでは、どの世代でもこの傾向が見られるのかを知るために、20歳~74歳までの幅広い男女を対象に、約25万人の歯と医科医療費のビッグデータ解析を行いました(※)。

発見1 歯の本数が多いほど医科医療費が低い

各年代で歯の本数と医科医療費を比較したところ、多くの年代で、歯の本数が多いほど医科医療費が低く抑えられていることがわかりました。ただし、歯の本数は、男女ともに年齢が上がるほど減少し、60歳では平均25本以下になってしまうという事実も…。

若い頃から継続的にオーラルケアに取り組んで、できるだけ歯を残すということが、人生をトータルで見た時には大きな節約になりそうです。今からでも遅くありません!まずはこまめな歯科受診や、正しいセルフケアを心がけましょう。

【歯の本数と医科医療費の関係】

発見2 噛みあわせが良い人ほど医科医療費が低い

歯の噛みあわせについては、上下の歯の欠損の有無や噛みあう領域の多さによって、A1~Cまでの5段階に分類。こちらも、噛みあわせが良好なほど医科医療費が低く抑えられていることがわかりました。しかも噛みあわせの評価が良いAの人でも歯の欠損のない人の方が、より医科医療費が低いこともわかったのです。

【歯の噛みあわせ(咬合)と医科医療費の関係】

歯の本数だけでなく、上下の歯で食べ物をしっかり噛めるお口の状態を維持することも大切です。食べにくいものがあるなど、お口のことで気になる箇所がある場合には、歯科医院で相談してみることをおすすめします。

そして、毎日のセルフケアにもしっかり取り組むことで、歯が抜けて噛みあわせが悪化しないように努力することも大切!小さな積み重ねで、今の、そして将来の医療費の出費を抑えていきましょう。

若い世代も将来を見据えたオーラルケアを

今回の大規模な調査では、高齢の人たちだけでなく、若い人やはたらき盛りの世代でも、歯の状態が医科医療費に関係していることが明らかになりました。また、お口の中の健康が将来の医療費減=全身の健康維持に役立つことも、改めて感じていただけたのではないでしょうか。

長く健康を維持することは、人生の必要経費の大きな節約につながります。それを実行するには、上下の歯で食べ物をしっかり噛んで食べられる健康なお口が大切!若いからといって「まだ関係ない」と思わずに、早い時期からお口の健康に気をつけて、明るい未来を手にいれましょう。

<専門家からのコメント>

 
大阪大学名誉教授・歯科医師・歯学博士 サンスターグループ顧問 雫石聰(しずくいし さとし)先生 

今回の研究はビッグデータの活用という点からも先進的であり、このような科学的根拠の積み重ねは社会にとって価値のあるものといえるでしょう。

この研究結果では、歯を失う本数の少ない人ほど、また、噛みあわせの良好な人ほど医科医療費が少ないことが明らかとなり、お口の健康状態の良い人ほど全身の健康状態が良好と考えられました。このことは、お口の健康が糖尿病や循環器疾患などの生活習慣病などと密接に関連しているという数多くの研究報告を裏づけています。

超高齢社会において、はたらく世代からお口の健康に十分気を配り、日常的なお口のケアと定期的な歯科検診の受診が極めて重要です。また、歯の喪失を防ぎ、良好な噛みあわせで、どのような食べ物もしっかり噛んで食べることにより、全身の健康を維持増進することは、喫緊の課題である医療費増大の抑制にもつながることが期待されます。

※ 複数の健康保険組合の定期健康診断受診者約70万人のうち、2015年度に歯科医院の受診歴があり、歯の本数とその部位が確認でき、医科を受診した20歳から74歳までの男女247,019人をサンスターが分析しました。この研究結果をまとめた論文が、2021年6月30日発刊の日本歯科医療管理学会雑誌 第56巻第1号に掲載されています。

取材・記事 クラブサンスター編集部

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