日々の習慣であり身近なハミガキ。でも、そもそもどうしてオーラルケアが必要なのでしょうか?ここでは歯とお口の健康に関するクイズで、オーラルケアの知識を楽しく学んでいきしょう。クイズは全部で5問出題します。選択肢の中から、答えだと思うものをひとつ回答してください。それでは早速、スタートです。
あなたは何問正解できる?いざクイズに挑戦!
①広がる
②広がらない
答え ②広がらない
正しく使えば広がってしまうことはありません。そのすき間、もしかしたら汚れが落ちた証拠かも?
みなさんは歯間ブラシをお使いになっていますか?ハブラシで落とせるプラーク(歯垢)は約6割と言われていますので、ぜひ歯間ブラシも使って欲しいのですが、まだ使っていないという人の理由のひとつに「歯と歯の間が広がりそう」という不安があるかもしれません。でもその心配は必要ないのです!歯間ブラシを使ったあと、「すき間ができた」「広がった」と感じるのは、汚れが取れて本来のすき間が戻ったことが関係しているかもしれません。また、歯周病で歯ぐきが腫れている時に使いはじめると、健康な状態に戻って腫れがひいた時、ようするに本来のすき間が戻った時も「広がった」と感じることがあるようです。
怖がらなくて大丈夫。正しい使い方、教えます。
とはいえ「広がらない」にはもちろん、「正しく使えば」という言葉がつくのが大前提です。
広がらないための基本は
◎正しいサイズを選び、入りにくいところには無理に入れない。
◎ワイヤー部分で必要以上にゴシゴシこすらない。
◎ブラシの毛先が傷んだら早めに交換する。
などがあります。
実際の使い方のテクニックも大切ですので、詳しくはこちらを参考にしてみてください。また、どうしても気になるという人は、ワイヤーではなく、やわらかいゴムを使ったタイプで試してみるのがおすすめです。
①男性
②女性
③どちらも同じ
答え ②女性
女性ホルモンが歯周病と関係するからです。
歯周病は、歯周病菌を原因とした感染症ですが、実は、歯周病を高めるリスクとなるものとして、糖尿病や肥満、メタボリックシンドロームなどの病気、また喫煙や疲労、ストレスなどの要因があることで知られます。
上記の要因に男女差はありませんが、女性はより歯のトラブルを招くケースが多いと言われています。それは、歯周病に「女性ホルモン」が大きくかかわっているからです。
歯周病菌の中には女性ホルモンを栄養源とする細菌がいて、女性ホルモンが増えるとその細菌も増えます。さらに末梢血管が拡張して、歯ぐきの出血も起こりやすくなります。
特に妊娠中は女性ホルモンの分泌量が増加するタイミング。歯周病の原因菌が増えることに加え、つわりで歯みがきしにくかったり、食事回数が増えたりすると、お口の中の環境が悪化しやすくなります。重い歯周病は、早産や低体重児の要因ともなるため、普段以上にオーラルケアを心掛ける必要があります。
また、更年期は逆に女性ホルモンが減少するタイミング。骨密度が低下することで骨粗鬆症になりやすいことはよく知られていますが、歯を支える歯槽骨の力が弱まって歯が抜けたり、唾液の分泌量が減ったりして、歯周病やお口トラブルのリスクが高まることが知られています。
女性は、「女性ホルモン」の増減によって、男性よりも歯周病になりやすいのです。とはいえ、男性が歯周病にかかりにくいというわけではありませんのでご注意ください!男性のみなさんも決して油断することなく、日々の正しいブラッシングや歯科医院での定期点検を心がけて、お口の健康維持につとめましょう。
①減っている
②変わらない
③増えている
答え ③増えている
その「おはよう」のキス、実は細菌だらけです。
恋愛映画やドラマで、朝のベッドでの目覚めのキスを見ることありませんか。なんだかロマンチックなシーンですが…実は、この時こそが、お口の中で細菌が最も増えている時間帯。しかも細菌は口臭の原因のひとつ。つまり、おはようのキスは、まさかの細菌&口臭付きのキスともいえるんです。
朝、起きた時に細菌が多いのは、睡眠中の唾液の量と関係しています。唾液はお口を洗浄する役割がありますが、寝ている間は分泌量が減ってしまうため、どんどん細菌が増殖。寝る前にしっかり歯みがきをしても、6時間後、朝起きた時には、細菌が約5倍にも増えてしまいます。そしてこの細菌たちが集団化し、ぬるぬるしたノリ状になったのが、朝、起きた時に感じるあの嫌なネバツキ。細菌のかたまりだったと知ると、これは本気でなんとかしないと!という気持ちになりませんか?
出典:サンスター調査
だったらまずは、寝る前のケアにひと工夫を。ふだんのハミガキにプラスして、歯と歯の間の狭い部分をデンタルフロスや歯間ブラシでしっかりケアしたり、朝まで菌の繁殖を抑えて口臭やネバツキを防ぐタイプの洗口液を使ってみてはいかがでしょう。目覚めのキスをするかどうかはともかくとして、お口スッキリ、気分のいい朝になること間違いなしです。
①増えている
②減っている
答え ①増えている
なんと、“8020”達成者の割合は増えている!
1989年から厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「8020(はちまるにいまる)運動」。自分の歯でおいしく食べる楽しみを味わい続けるために、「80歳になっても20本以上自分の歯を保つ」とことを目指した取り組みです。
厚生労働省が令和4年に実施した「歯科疾患実態調査」の結果によると、80歳になっても自分の歯が20本以上ある人の割合は、前回(平成28年)の調査結果51.2%から、51.6%とさらに増加しています。
ただ、“8020”達成者の割合が増加している一方で、「4㎜以上の歯周ポケット(※)を持つ人の割合」は年代が上がるにつれて増加しています。歯が残っている人が増えたことが起因しているのかもしれません。
歯周ポケットは歯周病のはじまりで、歯周病は歯を失う要因となります。生涯自分の歯で食事を楽しみ、健康な毎日を送るためにも、小さい頃から正しいオーラルケアを身につけて、健康な歯とともに長生きしたいですね。
※歯と歯ぐきのあいだが、プラークの細菌により炎症をおこし深くなった溝のこと
①〇
②×
答え ②×
プラーク(歯垢)は食べカスではありません!
プラークをみがき残しの食べカスだと思っていた人、意外と多いのではありませんか?答えにもあるように、プラークは食べカスではありません。ではその正体は何かというと…実は、プラークは「細菌のかたまり」だったんです!
ちなみに食べカスは、プラークにとって栄養たっぷりのエサともいえる大好物。プラーク1mgの中には約10億もの細菌がひしめいているため、そんなところに食べカスを残しておくと、プラークがみるみる大増殖!ということになりかねません。
プラークがあるところは、ムシ歯や歯周病の有力候補地!
プラークは、歯の見えている部分(図の歯冠部)についていると、むし歯の原因に。歯と歯ぐきの境目につくと(図の歯肉縁上プラーク)歯周病の原因になります。
さらに歯周病になって歯周ポケットが広がると、その中に居ついてしまうプラーク(図の歯肉縁下プラーク)も。歯周ポケット内は酸素が少ないため、プラークは居心地が良くてそのまま棲みつき、歯周病はさらに悪化してしまいます。
だから、大切なのはやっぱり正しい歯みがきです。とはいえ、歯みがきだけでは歯と歯の間にプラークやプラークの大好物の食べカスなどが残りがち。できれば歯間ブラシやデンタルフロスを使って、上手にくまなく、落とすように心がけましょう!
全部で5問出題したクイズ。みなさんは何問正解できましたか?全問正解という方も、あまり正解できなかった方も、ご自身のケアを振り返るきっかけとなれば嬉しいです。お口と歯の健康を守るオーラルケア習慣をみがいていきましょう!