世界中で使われているハブラシ。国によってハブラシの大きさやデザイン、歯みがき習慣に違いがあることは、以前こちらの記事でもご紹介しました。
今回は、スイス在住歴5年のサンスター社員に、サンスターグループの経営統括本部があるスイスを中心に、ヨーロッパの歯みがき事情を聞いてみました!
まず注目したいのは、ヨーロッパで使われているハブラシについて。ヘッドの大きさはアメリカと日本の中間くらいの大きさ。とはいっても日本のハブラシの1.5倍近くあり、柄の形状にも大きな特長があります。
ヨーロッパでは柄をグーで握る「パームグリップ」の持ち方で、ハブラシを「上下」に動かしてみがくのが一般的。歯科医院でもその様に指導されるそうです。そのため、パームグリップで持った時に45°の角度でブラシが歯に当たるように、柄のラバーに角度がついているんです。
そして、フロスを使う習慣も根づいているようで、スイスの歯科医院を受診すると必ずすすめられるし、周りの方もだいたい使用している、とのこと。それを裏づけるように、なんと100メートルもあるフロスも売っているそうです!使用頻度が高いからこその長さですよね。さらに、子どもは生えかわりの時に矯正することが習慣になっており、その時、特にムシ歯になりやすいのでフロスをすすめられるそう。子どもの頃からの習慣なんですね。
ハミガキのペーストは、「ホワイトニング」「知覚過敏」「オーガニック」のカテゴリーが人気。
中でも、近年売り上げを伸ばしているのが「オーガニック」のハミガキ。自然素材を原料とし、無添加・パラベンフリーなどが特長です。
日本では保険適用内でさまざまな歯科治療が受けられます。しかし、スイスではムシ歯などの歯科治療は保険適用外。歯科用の任意保険はあるものの、毎月高額な保険料(なんと年間40万円ほど!)を支払わなければなりません。
スイス在住中に親知らずが痛くなってしまい抜いたことがあるそうですが、切開縫合が必要だったとはいえ、日本なら1万円もしない治療が、1本10万円もかかってしまったそう。
特に歯科治療費が高いといわれるスイスでは、わざわざフランスや東欧の歯科医院へ行く方もいるのだとか!交通費を差し引いてもスイスで治療するより安く済むそうですが、歯科治療のためだけに隣国へ行くなんて、日本では考えられませんよね。
そんな事情もあって、スイスを含めたヨーロッパでは「治療よりも予防」が当たり前。オーラルケアに対する意識が高いことが知られています。歯のクリーニングだけでも1万円ほどかかるそうですが、それでも年に1~2回は必ず行く方が多いのだとか。
日本では気軽に歯科治療が受けられるとはいえ、健康のためにも「治療よりも予防」を心がけていきたいですね。