こんにちは。サンスター研究員の関根です。
研究員が教える豆知識 第8弾の今回は「ドライマウスの原因と対策」について、ご紹介します。
日常生活の中で、お口の中がネバつくようになった。そんな変化はありませんか?
また、家族や友人たちと話をしているときに、かつ舌が悪くなったなと感じたり、おかきや最中が食べづらい、などといった違和感を感じることはありませんか?
これらのことに心当たりがある方は、もしかすると、唾液の量が少なくなって、「ドライマウス」になっているのかもしれません。
今回は、そんなドライマウスの原因や症状と、その対策についてご紹介します。
唾液の分泌量が低下し、お口の中が乾燥した症状のことを、「ドライマウス(口腔乾燥症)」といいます。
「ドライマウス」の原因には、いろいろなものがあります。
例えば、
・ 薬の副作用
・ ストレス
・ 加齢
・ 口を開けての就寝
・ 部屋の乾燥
・ シェーグレン症候群(自己免疫疾患)
・ がんの治療における、頭頚部への放射線照射
などが挙げられます。
さらに、糖尿病の方は、高血糖が続くことで引き起こされる脱水によって唾液が減少するため、お口の中がかわきやすくなるといわれています※1。
ドライマウスの原因というと、身近なところの乾燥を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はそれらだけなく、薬や病気などのさまざまな原因があるのです。
では、ドライマウスになると、どんなことが起こるのでしょうか?
ドライマウスの症状には、
・ お口が渇く
・ お口の中のネバつき
・ 口臭
・ しゃべりづらい
・ 乾いた食品が食べられない
・ 食べ物をうまく飲み込めない
などがあります。
また、唾液には、「粘膜を潤して保護する作用」や「お口の中を洗い流す作用(自浄作用)」があります。そのため、唾液の量が少なくなってドライマウスになると、舌が痛くなったり、通常よりも歯周病やむし歯になりやすくなってしまうのです※2。
お口の乾燥がつらいときには、まずはかかりつけの歯科医に相談してみましょう。最近では、ドライマウスの専門外来も増えています。病気や薬の副作用が原因でドライマウスの症状が出ている可能性もありますので、主治医の先生に相談してみるのも良いでしょう。
ここからは、自分でできるお口の乾燥対策や、乾燥に伴う歯周病やむし歯の予防法について、3つのポイントをお伝えします!
まず大事なのは、お口の中を清潔に保つこと!
お口の中が乾燥していると、歯周病やむし歯の原因となる細菌が繁殖しやすいので、ハブラシや歯間ブラシを使って隅々までキレイにすることが大切です。特に、歯と歯ぐきの境目や、歯と歯の間は細菌が溜まりやすいので要注意です。
殺菌剤入りの液体ハミガキや洗口液の使用もオススメです。お口の中をキレイにすることで、ベタつくお口がサッパリし、さらに口臭も防ぐことができます。
さらに、お口が乾燥していると自浄作用が低下してしまうため、舌にも細菌が繁殖し、表面が白っぽくなります。この舌表面の汚れを舌苔(ぜったい)といいます。前回の「口臭」の記事でもご紹介しましたね!
舌のお手入れには舌ブラシを使います。1日に一度、奥から手前へ2~3回舌ブラシを引く動作で、やさしくこすることで舌苔を除去することができます。力を入れすぎたり、1日に何回も行うと舌の表面を傷つけてしまうこともあるので注意しましょう。
お口の中をキレイにした後は、お口の潤いを補うために「保湿剤」を活用すると良いでしょう。「保湿剤」はあまり聞きなれないものかもしれませんが、外出時やベッドサイドに置いて使用できるスプレータイプ、保湿が長時間続くジェルタイプなど、いろいろなタイプのものがあります。歯科医・歯科衛生士と相談しながら、お口の乾燥の程度や生活スタイルに合ったものを選びましょう。
寝ている間、マスクをするのも対策のひとつです!
以前の「オーラルフレイル」のコラムでもご紹介しましたが、顔の周りには「唾液腺(だえきせん)」という唾液をつくる臓器があります。唾液腺には大きく3つあり、耳の前方(耳下腺)、あごの下(顎下腺、舌下腺)を刺激することで唾液の分泌を促すことができます。
イラストの様に、気持ちのよいくらいの指圧でマッサージしましょう。特に食事の前に唾液腺を刺激すると、刺激によって分泌された唾液が食べ物のまとまりをよくします。
「バトラー やさしい舌ブラシ」は、口腔ケアの新習慣として、舌苔(舌に付着する菌、食べカス、粘膜のカス、唾液成分など)の除去により、口臭の原因となる舌の汚れを集中ケアするブラシです。
抗菌コートされたやわらか毛で舌苔を浮き上がらせ、やわらかラバーでかき出すダブルアクションで、舌を傷つけずに、効率よく舌苔を除去します。
参考
※1 ドライマウス研究会
※2 日本歯科医師会 テーマパーク8020