今回は、心も身体も癒される、こんな記事をご紹介します。
森に足を踏み入れた時に、心が落ち着いたり、リラックス効果を感じるという経験をしたことがある方もいらっしゃると思います。では実際のところ、森林環境にはどんな効果があるのでしょうか。
日本医科大学衛生学公衆衛生学の李卿氏らは、19人の中高年の男性を対象に、森林環境に滞在し森林の中を朝と夕方に、80分をかけて2.6kmのウォーキングを行ったとき、ウォーキングの前後で体にどのような変化があるのかを調べるという研究を行いました。
雑木林、ブナ林、杉林の森林遊歩道をウォーキングし、その前後に採血し、NK(ナチュラルキラー)細胞の活性を調べた結果、森林浴によって抗がんタンパク質が増加し、NK細胞が活性することが確認されました。
NK細胞とは、生まれながらにもっている免疫に関わる細胞です。そのため、NK細胞が活性したということは、免疫力が高まったということですね。このNK細胞の活性は、森林からのフィトンチッド(樹木が出す物質)と森林浴によるリラックス効果によるものだと考えられています。
さらに、森林をウォーキングすることで、抗炎症作用とインスリンの効果を高める作用があるアディポネクチンが増えたこともわかりました。
さて、「森林浴」という言葉をご存じの方も多いと思いますが、森林浴には、主に以下のような効果があると言われています。
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(1)がんへの抵抗力が高まる
森林浴によって、いくつかの抗がんタンパク質が増加し、がんを破壊するNK細胞の活性が上昇する。
(2)ストレスが減少する
森林でウォーキングをすると、ストレスを感じたときに上昇する収縮期血圧や拡張期血圧が低下します。また、ストレスホルモンであるコルチゾールは、都市にいるときよりも森林にいるときに減少します。
(3)リラックス効果が高まる
交感神経は身体の活力が活発なときに、副交感神経は身体がリラックスしているときに高まります。森林では、都市にいるときに比べ、交感神経の活動が抑制され、副交感神経が優位になります。
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日本は国土の67%が森林であり、世界でも有数の森林大国です。先進国ではフィンランドに次いで2番目に森林率が高く、米国、ドイツ、スイスなどの森林率が30%であることを考えると、日本人がどれだけ豊かな森林に囲まれて生活しているか実感できますよね。
森の香りや空気の清浄さ、美しい森の景観などによるリラックス効果が科学的に実証され、関連施設などの自然・社会条件が一定の水準で整備されている全国62の地域が「森林セラピー基地」として認定されています。
▼森林セラピー基地
http://www.fo-society.jp/quarter/
心と身体の健康への関心が高まるにつれ、森林浴に対する期待も「健康になりたい」「ストレスを解消したい」という積極的なものになっているようです。木々の中に立っているだけで心がゆったりとしたり、リラックスした気持ちになれますよね。
「森林セラピー基地」は全国に整備されているので、ぜひお近くの「森林セラピー基地」に出かけてみてはいかがでしょうか。
秋のおでかけ、おさんぽにぴったりですね。私も森林浴で癒されたいです~(^O^)/
※引用元:糖尿病ネットワーク
森林ウォーキングで糖尿病を改善 ストレスが減りがん予防の効果も - 2016年09月05日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/025886.php
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