今回は、取り組みやすく、長続きしやすい食事療法について、こんな記事をご紹介します。
2型糖尿病など肥満と関連した病気を改善するため欠かすことができないものの1つが食事療法ですが、食事療法を効果的に改善する方法として、次の3つがあります。
▽嗜好食品の摂取量を減らす
▽低エネルギー甘味料を使い、嗜好食品の糖質を減らす
▽嗜好食品の塩分量を減らす
食事療法と切っても切り離すことができない嗜好食品ですが、欧米人は一般的に、加糖飲料や菓子類などの嗜好食品を多く食べているようで、オーストラリアでは1日のエネルギー摂取量のなんと3分の1以上を嗜好食品から摂っているそうです。1日のエネルギー摂取量の3分の1とは驚きですね!
今回ご紹介するサウスオーストラリア大学保健科学部のトム ウィッチャリー氏らの研究により、嗜好食品を、野菜、フルーツ、乳製品、全粒粉、低脂肪の肉類に代えるだけで、エネルギー摂取量を減らすことができ、栄養摂取状況も改善することがわかりました。
ウィッチャリー氏らは、2011~2013年に行われた「オーストラリア健康調査」の対象となった1万人以上のデータを解析し、食事内容と肥満や2型糖尿病などの生活習慣病の発症リスクの関連について検討しました。
研究の結果、次のことが明らかになりました。
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●嗜好食品の量を25%減らすと、1日のエネルギー摂取量が9.0%(184kcal)減少する。
●嗜好食品をより健康的な食品に置き換えると、健康的な食品摂取量が8.3%増加する。
●ビスケット、ケーキ、マフィン、スコーンなど、糖質の多い嗜好食品を25%減らすと、 1日のエネルギー摂取量が1%減少する。
●加糖飲料に含まれる糖質を低エネルギー甘味料に置き換えると、エネルギー摂取量が60kcal(2.9%)減少する。
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「より詳しく調べる必要がありますが、食事指導における課題は見えてきました。嗜好食品を食べる習慣を少し改めるだけでも、大きな変化を得られる可能性があります」と、ウィッチャリー氏は指摘しています。
2型糖尿病の人の多くが食べ過ぎていて、嗜好食品を無意識に食べてしまう人も多くいます。そして、食事制限を行っている糖尿病患者からは、「指示されたエネルギー量では空腹になり我慢できない」「どうしても嗜好食品をやめられない」といった声が多く聞かれます。また、食習慣は長年にわたり身についたものなので、代えるのが難しいという人も少なくありません。
嗜好食品を食べる量を減らす → 食事全体のエネルギー摂取量が減る → 肥満・血糖コントロールが改善できるとなり、嗜好食品を見直すことは血糖コントロールにつながりますが、嗜好食品を見直すことは容易なことではありません。
「嗜好食品の一部をより健康的な食品に代えることから始めると、取り組みやすく、長続きしやすくなります」と、ウィッチャリー氏は説明しています。
食事の質を高めたり、食べ方を変えることで、少ない量でも満足感を得られるように工夫することも大切です。「やめる」「減らす」が難しい方は「おきかえ」を試してみてはいかがでしょうか。
※引用元:糖尿病ネットワーク
糖尿病改善のために最初に減らしたい食品 無理なく続けられる食事 - 2016年09月23日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/025972.php
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