今回は「食事の組み合わせによる死亡リスク」について、こんな記事をご紹介いたします。
野菜や果物、魚を摂ろう!塩分は控えめに・・・。健康的な食事を意識しているとよく聞く言葉ですよね。中には、野菜だけ、あるいは果物だけしか摂らず偏った食事になってしまった・・・という経験がある方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、食事の組み合わせと脳卒中・心臓病といった循環器疾患による死亡リスクとの関連を分析したチャートについてご紹介したいと思います!
私たちは普段、複数の食品群を組み合わせて食事をしていますが、これまでは単一の食品群や栄養素についての研究報告がほとんどでした。また「健康日本21」や「日本人の食事摂取基準」などでは、1日摂取量として次のような内容を推奨していますが、達成できている人は多くありません。
・野菜:350g
・果物:200g
・魚:80g
・食塩:男性8g未満、女性7g未満
そこで、滋賀医科大学の研究グループは、厚生労働省研究班の「NIPPON DATA」研究の成果をもとに、食事因子による循環器疾患死亡リスク評価チャートを作成したと発表しました。
多くの研究により、野菜・果物・魚および食塩摂取量と、循環器疾患リスクとの関連が明らかになっていますが、食事の組み合わせによる循環器疾患リスクとの関連からリスク評価チャートの図示を行った報告は今回がはじめてです。
研究グループは、1980年の国民・栄養調査に全国から参加した男女約9,100人(平均年齢50歳)を29年間追跡したデータを用いて分析しました。
栄養調査の結果から、野菜・果物・魚・食塩の1日摂取量を評価し、それぞれの推奨量350g、200g、80g、8g(女性は7g)に対する過不足量によって、複数のカテゴリーに分類しました。そして、食事因子の組み合わせによる循環器疾患死亡リスクを試算し、循環器疾患死亡リスク評価チャートとして図示しました。
その結果、野菜、果物および魚摂取量が少ないほど、また食塩摂取量が多いほど、循環器疾患死亡リスクは高いことが明らかになりました。
食事因子の組み合わせによる循環器疾患死亡リスク(ハザード比)を作成したところ、次のような事が分かりました。
・▼野菜175g未満、▼果物100g未満、▼魚40g未満と摂取量がもっとも少なく、▼食塩摂取量が基準以上の場合
→野菜・果物・魚の摂取量がもっとも多く、食塩摂取量が基準未満の場合と比較すると、循環器疾患死亡リスクは2.87倍に上昇
研究グループはリスク評価チャートについて、「野菜・果物・魚・食塩の望ましい量を摂取するために、個人が食事を見直し、食習慣の改善の動機付けにすることができる。栄養指導や保健指導の現場では、専門家が食事の改善を指導する際のツールとして活用できる」と話しています。
いかがでしたか?野菜が健康に良い、魚が○○改善に効果的などと聞くと、ついついそれだけを集中して摂りがちですが、やはり「栄養バランスの良い食事」が健康に必要不可欠ということが研究により明らかになりましたね。
みなさまもこのチャートを参考に、それぞれの食品群を適量、バランスよく摂るように心がけてみませんか?
※引用元:糖尿病ネットワーク
野菜や果物、魚の摂取量が少なく、食塩が多いと、死亡リスクは3倍に上昇 - 2019年05月14日
https://www.dm-net.co.jp/calendar/2019/029125.php
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