今回は「水虫の原因と、8つの対策」について、こんな記事をご紹介いたします。
日本は「水虫」になりやすい環境って本当?
じめじめとする夏、そんな時期に多くの方が気になるのが「水虫」ではないでしょうか。日本の夏は、温度・湿度のどちらも高いため、水虫になりやすい環境といわれています。なんと、日本皮膚科学会によると水虫の国内患者数は約2,200万人にも上るとも!
「水虫くらい、なっても大丈夫」…そう軽く考える人も多いと思いますが、実は要注意!糖尿病の方が、水虫を放置すると深刻な事態に進展する恐れもあるのです・・・
そこで今回は、「水虫を予防し、しっかり撃退するための8つの対策」についてご紹介します。日常生活の心がけで、感染しないようにしましょう。
どうして水虫になるの?
水虫とは、足の裏や指の間の角質に常在している「真菌」が増えることによって起こる感染症です。そして、この真菌は、体力が落ちているときや抵抗力が弱くなっていると増殖し、トラブルの原因になるといわれています。
一般的な、「真菌」への感染として最も多いケースは、真菌の一種「白癬菌」が、皮膚の角質に寄生することで起こる足白癬(水虫)です。
ではなぜ、「白癬菌」は
足で増殖することが多いのでしょうか。それは、靴や靴下を履いているため湿度が高くなっていることが大きな要因です。特に、夏の靴の中は湿度が95%にも達します。また、
足は体の一番下にあるため、他の部分に比べて温度が低い傾向にあります。そのため、「白癬菌」が繁殖しやすい環境をつくっているのです。
水虫に感染しないためには、日常生活で菌を増やさないよう心がけることが重要です。
糖尿病の方は、血糖コントロールが良好でないと、足の切断につながることも・・・
さらに、糖尿病の方はより注意が必要!なぜなら、血糖値が高い状態が続くと白血球・免疫に関わる細胞機能が低下し、殺菌能力も低下してしまうからです。その結果、病原菌と十分に戦えない状態になることがあります。
また、糖尿病の合併症である神経障害があると汗をかけなくなるため、痒みによる引っ掻き傷で感染することがあります。また、神経障害の影響で痛みを感じづらいことから、重症であることに気が付かない恐れもあります。
さらには、水虫のある皮膚が破裂し、そこから雑菌が入り足の組織が壊死、最悪の場合には足の切断につながることも・・・
たかが水虫と侮らず、足の皮膚に気になる症状がある場合はすぐに主治医や皮膚科に相談しましょう。そして、日ごろのフットケアも欠かせません。次に紹介する8つの対策をぜひ守るようにしましょう!
水虫を予防し、もとから撃退!8つの対策とは
「白癬菌」は湿度70%以上、温度15℃以上になると活発に増殖するため、蒸し暑い夏は要注意。ちょっとした工夫で白癬菌の感染を抑えられますので、米国糖尿病学会の8つのアドバイスを実践しましょう。
1.適切な血糖コントロールが大切
血糖値が高いと菌と戦う力が弱まります。また糖尿病の合併症である神経障害や血管障害は感染症の原因にもなりますので、血糖コントロールを良好に保ちましょう。
2.「清潔」と「乾燥」が予防の基本
汗や汚れをそのまま放置せず、清潔に!カビが増える状況をできるだけなくしましょう。
風呂やシャワーをこまめに利用し、よく乾かしましょう。また足の指一本一本まで丁寧に洗いましょう。
3.足を強くこすって洗わない
汚れをきれいに落とそうと、力強くこすって洗っている方はいませんか?強くこすると皮膚が傷ついて雑菌が侵入しやすくなるため逆効果です。
石鹸の泡で包み込むように、優しく洗いましょう。
4、通気性の悪い靴・靴下を避ける
足はできるだけ通気性の良い状態にしておきます。また入浴後やスポーツなどで汗をかいた後は、
足をしっかり乾燥させ、涼しく保つことを意識しましょう。
5.靴下を毎日履きかえる
水虫を治療するためには、清潔な靴下を履くことが大切です。適度な湿度がある履き古した靴下は水虫菌の温床になります。
靴下を毎日履きかえ、使った後は洗濯してしっかりと乾燥させましょう。
6.汚染されやすい足拭きマットに要注意
忘れられがちなのが水回り、特に浴室にある足拭きマットです。こまめに取り換えましょう。また家族に水虫の人がいる場合は、足拭きマット・タオル・爪切り・スリッパなどはその人専用のものを用意しましょう。足拭きマットを使わずに使い捨てのキッチンタオルなどで足を拭くのも方法の一つです。
7.共同で使う施設では素足を避ける
フィットネスクラブやサウナなど、共同で使う場所でも感染しやすいです。足拭きマットなどを避けても、落ちている水虫の人の皮膚を踏んでしまうと感染する可能性があります。このような場では、
サンダルなどを履いて素足でいるのを避け、帰宅後にもケアを忘れずに。
8.医師の診断を受ける
水虫になってしまったら、皮膚科で検査を受け、適切な治療を受けることが大切です。水虫は塗り薬で菌を殺したり増殖を抑えられ、飲み薬でも治療できます。
爪の水虫などは皮膚の水虫と違って痒みがないだけでなく、見た目ではわからないこともありますが、日ごろから足を観察し、
「水虫」「乾燥やひび割れ」「たこやうおのめ」「靴ずれ」「皮膚の色や温度」など、小さな異変を見逃さず医師に相談しましょう。
いかがでしたか?水虫というと痒みの症状のイメージを持っている方が多いかと思いますが、最悪の場合足の切断につながることもあるというのは驚きですし、恐ろしいですよね。
今回の8つの対策を守り、水虫をしっかり撃退しましょう。また、足のトラブルに悩む糖尿病の方や、足の変形や痛みで困っている場合は、足潰瘍や足壊疽などの「糖尿病足病変」の予防を目的とした、糖尿病方向けのフットケア外来を開設している医療機関もありますので、うまく活用して相談してみましょう。
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※引用元:糖尿病ネットワーク
糖尿病の人は夏こそ「フットケア」 水虫に対策するための8つの方法 - 2019年08月07日
https://dm-net.co.jp/calendar/2019/029379.php
[日本医療・健康情報研究所] Copyright © 2019 Soshinsha.
※このコラムは、「糖尿病とうまくつきあう」サイトに掲載されたものです。